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岡松 珠美(Tamami Okamatsu)
Career Mentor|行政書士・起業支援・法務

「起業したい」という気持ちはある。でも、何から手をつければいいかわからない——そんな若者をよく見かけます。高卒認定を取り、通信制高校を卒業し、いざ自分でビジネスを始めようとしたとき、最初の壁になるのが法律や手続きの複雑さです。
私は行政書士として、多くの若い起業家の法人設立・許認可申請をサポートしてきました。この記事では、「難しそう」と感じる法律の世界を、できるだけ平易な言葉でお伝えします。

起業に法律の知識は必要か?

結論から言えば、「完璧に知らなくていいが、基本は押さえておく必要がある」です。

法律を全て覚えようとする必要はありません。しかし、次のような場面では最低限の知識がないと、取り返しのつかないトラブルにつながります。

たとえば、友人と口約束でビジネスをはじめ、利益配分でもめるケース。または、許認可が必要なビジネス(飲食店・民泊・不動産仲介など)を無許可で営業し、行政処分を受けるケース。さらに、クライアントとの契約書が曖昧で、報酬を払ってもらえないケース。

これらは実際に若い起業家から相談を受けた実例です。「知らなかった」では済まされないのが法律の世界です。だからこそ、最初に基本的な考え方を理解しておくことが大切です。

個人事業主vs法人:どちらを選ぶべきか

起業を決意したとき、最初にぶつかる選択肢のひとつが「個人事業主として開業するか、法人(会社)を設立するか」です。

個人事業主は、税務署に開業届を出すだけで始められます。費用はほとんどかかりません。収入が少ない段階では税負担も軽く、シンプルに動けるのが魅力です。

法人(株式会社・合同会社)は、設立に登記費用(株式会社で約25万円、合同会社で約10万円)がかかりますが、社会的な信用度が高まり、融資を受けやすくなります。また、役員報酬や経費計上の範囲が広がり、節税効果も見込めます。

目安として、年間売上が500万円を超えるようであれば法人化を検討する価値があります。最初は個人事業主としてスタートし、軌道に乗ってから法人化する流れが、多くの若い起業家にとってリスクを抑えた選択です。

契約書と許認可──知らないと怖いふたつの壁

起業後に特につまずきやすいのが、契約書許認可の二点です。

契約書については、「口頭の約束でも契約は成立する」という誤解がよくあります。法律上はそのとおりですが、いざトラブルになったときに証明できるものがなければ泣き寝入りになりかねません。クライアントとの業務委託契約、パートナーとの共同事業契約など、お金が動く場面では必ず書面で残すことを習慣にしてください。

許認可については、ビジネスの種類によって必要な届出・許可が異なります。たとえば飲食業であれば食品衛生法に基づく営業許可、民泊であれば住宅宿泊事業法に基づく届出、建設業や不動産業なら専用の免許が必要です。これらを確認せずに営業を始めると、後から大きなリスクになります。

「自分のビジネスに許認可は必要か?」と疑問に思ったら、まず行政書士か管轄の役所に相談することをおすすめします。

行政書士を味方につけるメリット

「行政書士に頼むとお金がかかる」と思っている方も多いですが、適切なタイミングで専門家を使うことは、長期的に見れば大きなコスト削減になります。

開業届・各種許認可申請・定款作成・契約書のレビューなど、行政書士が対応できる範囲は広いです。特に起業初期は「何がわからないかわからない」という状態が続くため、信頼できる専門家に早めに相談することで、後から高くつく失敗を防ぐことができます。

CLCでは、岡松を含むキャリアメンターが起業・法務の入口相談に対応しています。「法律的に問題ないか確認したい」「どんな許可が必要か知りたい」という段階から気軽にご相談ください。正しい知識を持つことが、あなたのビジネスを守る最初の盾になります。