「将来やりたいことが一つに絞れない」「複数のことに興味があって、どれかを諦めないといけないのかな」——そんな悩みを持つ高校生や10代の若者と話すとき、私はいつも「それは弱点じゃないよ」と伝えます。むしろ、これからの時代に最も必要とされる力かもしれません。マルチキャリアという生き方は、特別な才能を持った人だけのものではなく、今から準備を始めれば誰にでも実現できるものです。この記事では、通信制高校に通う学生が在学中にできる「実績づくり」の具体的な方法を紹介します。
マルチキャリアって何?——「複数の自分」を育てること
「マルチキャリア」とは、一つの職業や肩書きだけに縛られず、複数の分野・役割を並行して持ちながら生きる働き方のことです。副業や兼業ともニュアンスが異なります。副業が「本業+補足の収入源」とすれば、マルチキャリアはもう少し広い概念で、「ライター×デザイナー」「エンジニア×教育者」「農業×セラピスト」など、複数のアイデンティティが対等に存在している状態を指します。
なぜ今、マルチキャリアが注目されているのでしょうか。それは、社会の変化スピードが速くなり、一つの職業だけで生涯を通じる保証がなくなってきたからです。テクノロジーの進化によって消える仕事も増える一方、新しいジャンルの仕事も次々と生まれています。そんな時代に強いのは、複数の軸を持ち、変化に柔軟に対応できる人です。
通信制高校に通う学生のみなさんには、この「複数の自分を育てる」ことへの特別なアドバンテージがあります。それは、時間の自由度と、自分でスケジュールを組む力です。全日制高校に比べて学校に拘束される時間が少ない分、自分の興味ある分野に深く関わる時間を確保しやすいのです。
通信制高校だからこそできる3つの実績づくり
「実績」と聞くと、大人になってから積み上げるものというイメージを持つかもしれません。でも、高校生のうちから実績を作っている人は確実に存在します。重要なのは「すごいことをする」のではなく、「やったことを形にして残す」ことです。
実績その1:資格・検定への挑戦
まず最も取り組みやすいのが、資格や検定の取得です。ITパスポート、簿記3級・2級、ファイナンシャルプランナー3級、英語検定、漢字検定、色彩検定など——高校生でも十分に合格を目指せる資格は多くあります。資格は「その分野を学んだ証明」として、将来の就職活動や大学受験でも活用できます。ポイントは、自分の興味に連動した資格を選ぶこと。「なんとなく役に立ちそうだから」ではなく、「この分野をもっと深く学びたいから」という動機で選んだ資格は、学習へのモチベーションも持続しやすいです。
実績その2:プロジェクト・活動への参加
ボランティア活動、地域のイベント企画、オンラインコミュニティへの参加、インターンシップなど、「何かに関わった経験」は立派な実績です。大切なのは参加するだけでなく、自分が何を考え、どう行動し、何を学んだかを記録しておくこと。活動の記録(日誌、SNS投稿、ブログ記事)があれば、後からポートフォリオとして活用できます。CLCでは、進路設計をしながら実際のプロジェクトに関わる機会も用意しています。仲間と一緒に何かを作り上げる体験は、単独の学習では得られない「協働力」と「実績」を同時に生み出します。
実績その3:アウトプット(作品・記録)の蓄積
絵、写真、文章、プログラム、動画——何かを「作ること」が好きな人は、それをどんどん公開していきましょう。noteやInstagram、GitHubなどのプラットフォームで発信を続けることで、時間とともに「作品の積み重ね」が生まれます。これは採用担当者や大学の入試担当者が最も注目するもののひとつです。「高校生のうちからこれだけ作ってきた」という事実は、どんな自己PRよりも説得力を持ちます。完成度より継続性が大切なので、まずは「週1回何かを作って投稿する」ことから始めてみてください。
実績をどう「見せる」か——ポートフォリオ思考のすすめ
せっかく作った実績も、まとめて「見せられる形」にしておかないと、就職活動や進学の場面で活かしきれません。ここで重要になるのが「ポートフォリオ思考」です。
ポートフォリオとは、もともと「書類を入れるファイル」という意味ですが、現代では「自分の作品・実績・経験をまとめたもの」を指します。アーティストやデザイナーだけが持つものではなく、どんな分野を目指す人にとっても有効なツールです。
ポートフォリオを作るときのポイントは3つです。まず「文脈を説明する」こと。資格の取得日を書くだけでなく、「なぜその資格を取ろうと思ったか」「学習中にどんな壁があってどう乗り越えたか」を添えることで、単なる合格証書が「あなたの物語」になります。次に「成長が見えるようにする」こと。初期の作品と最新の作品を並べることで、試行錯誤の過程と成長の軌跡が伝わります。そして「定期的に更新する」こと。高校在学中から少しずつ積み上げていけば、卒業のタイミングには充実したポートフォリオが完成しているはずです。
デジタルツールを使えば、ポートフォリオの作成・管理はとてもシンプルになっています。Notion、Canva、Google Sites など、無料で使えるツールで見やすくまとめることができます。まずは「自分専用の記録フォルダ」を一つ作るところから始めてみてください。
一歩を踏み出すために——今日からできること
マルチキャリアへの第一歩は、大げさなことをする必要はありません。「自分が少しでも楽しいと感じること」に時間を使い始めること——これが出発点です。
今日できることを一つ挙げるとすれば、「自分の興味リストを作る」ことをお勧めします。興味があること、やってみたいこと、なんとなく気になること——ジャンルも可能性も絞らず、思いつくままに書き出してみてください。そのリストの中に、あなたのマルチキャリアの種が隠れています。
通信制高校で学んでいるということは、すでに「自分で学び方を選んでいる」という意味で、大きな一歩を踏み出しています。その自由を最大限に活かして、在学中に「自分だけの実績」を積み上げていきましょう。CLCでは、あなたの興味や得意なことを一緒に整理しながら、マルチキャリアへの具体的な道筋を設計するサポートをしています。一人では迷子になりがちな進路設計も、仲間とメンターがいれば前に進めます。まずは無料のLINE相談から、気軽に話しかけてみてください。