「辞めるしかない」と思う前に、休学という道がある
毎朝、制服に着替えるのがつらい。教室に入ると息が浅くなる。体調が続かず、欠席が増えていく——。そんな日が重なると、多くの高校生が「もう学校を辞めるしかないのかもしれない」と考えはじめます。けれど、退学という大きな決断の手前には、「休学」というもう一つの選択肢があります。
私はCLCで生徒一人ひとりの学習計画づくりを担当していますが、これまでに休学を経てから進路を立て直した高校生を何人も見てきました。共通していたのは、休学した瞬間に人生が終わったわけでも、レールから外れたわけでもなかった、ということです。むしろ、いったん立ち止まって呼吸を整えたからこそ、その後の一歩を落ち着いて選べた人が多いのです。
この記事では、休学とはどういう制度なのか、休学中の時間をどう使えばいいのか、そして休学のあとに待っている進路の選択肢までを、順を追って整理します。いま追い詰められている人ほど、選択肢は一つではないと知ってほしいと思っています。
休学とは何か|退学・不登校との違いを整理する
まず言葉の整理から。休学とは、学校に在籍したまま、一定期間だけ正式に学校を休む制度のことです。全日制でも定時制でも、公立・私立を問わず多くの高校に休学に関する規定が設けられています。
退学との一番の違いは「在籍が残る」ことです。退学すると学校との関係は切れますが、休学は籍を残したまま休むので、体調や状況が整えば元の学校に戻る(復学する)道が開かれています。「辞める」と「休む」はまったく重さの違う決断だ、と覚えておいてください。
不登校との違いは「手続きをしているかどうか」です。不登校は在籍したまま事実上通えていない状態で、多くは欠席として扱われます。一方、休学は学校に申請して認められた正式な休みです。出席日数や進級・留年の扱い、学費の負担は、この手続きの有無で大きく変わることがあります。
ただし注意したいのは、休学できる期間の上限・その間の学費・単位や進級の扱いは、学校ごとに規定がまったく異なるという点です。「休学すれば必ず同じ学年に戻れる」と断定はできず、留年扱いになるケースもあります。ここは思い込みで動かず、必ず担任の先生や学校の事務室に確認してください。制度の全体像を進路の選択肢として整理したい人は、全日制・通信制・高卒認定の違いもあわせて読むと、休学明けのイメージがつかみやすくなります。
休学中の時間を「空白」にしないための3つの使い方
休学が生み出す最大の価値は、シンプルに言えば「時間」です。同級生が授業と部活で1日を使い切っているあいだ、あなたの手元にはまとまった時間が残ります。この時間をどう使うかで、休学明けの景色は大きく変わります。私が学習計画を一緒に立てるときに意識してもらうのは、次の3つの軸です。
①まず、心と体を回復させること。これは何よりも優先されます。起立性調節障害のように本人の意思ではどうにもならない不調を抱えている場合もあり、無理に予定を詰める必要はありません。回復そのものが、休学中の立派な「使い道」です。
②次に、学習の空白を最小限にすること。休学すると学校の授業が止まるため、放っておくと学力の空白が静かに広がります。1日15分でも英単語や数学の基礎に触れておくだけで、復学や進学に踏み出すときの負担がまるで違ってきます。完璧を目指す必要はなく、「ゼロにしない」ことが目的です。
③そして、自分が何に時間を使いたいかを探すこと。好きなこと、気になっている分野、やってみたかったアルバイトや小さな活動。休学は、日常に埋もれていた「やりたいことの種」を見つけ直す時間にもなります。この探究の経験は、次の進路を選ぶときの何よりの手がかりになります。
休学のあと、進路は主に4つに分かれる
休学はゴールではなく、次の進路を選び直すための準備期間です。休学を経た高校生の進路は、おおまかに4つに分かれます。
1つめは、元の高校に復学する道です。休んで整った結果、「やっぱりあの学校で続けたい」と思えたなら、それは何も後ろめたいことではありません。在籍を残していたからこそ選べる、休学ならではの選択肢です。
2つめは、通信制高校へ転入する道です。全日制の毎日の通学が負担なら、自分のペースで学べる環境に移すことで続けやすくなる人もいます。3つめは、高卒認定(高等学校卒業程度認定試験)に切り替える道です。文部科学省が実施する試験で、合格すれば大学受験資格が得られます。学校の授業に戻る代わりに、空いた時間をそのまま大学進学の準備に回せるのが特徴です。この2つの比較で迷ったら、高校をやめたい高校生へ|辞める前の5つの選択肢や、すでに中退を考え始めている人は高校中退その後の進路|後悔しない再設計4ステップが具体的な判断材料になります。
4つめは、休学中に見つけた道へ進むことです。留学、専門的な学び、あるいは自分で小さな事業を始めること。休学して初めて見えた選択肢に進む人も、実際にいます。大切なのは、「学校に戻る」か「辞める」かの二択で考えないこと。進路は、あなたが思っているよりずっと枝分かれしています。
立ち止まった時間を、前進に変えるために
ここまで読んで、「選択肢があるのは分かった。でも、その時間を自分ひとりで設計できる気がしない」と感じた人もいると思います。それは自然なことです。16歳や17歳で、将来から逆算して1日の使い道を組み立てられる人は、そう多くありません。必要なのは、決める人でも見張る人でもなく、隣で一緒に考えてくれる伴走者です。
CLC(Core Learning Community)が「学校に行かない選択」そのものを否定しないのは、この考えに立っているからです。現役の起業家・ビジネスパーソンや受験指導のメンターが、あなたの興味から出発して、休学中の時間の使い道と、その先の進路を一緒に設計します。大学進学を見据えるならCLC進学コース、事業や表現に熱があるなら起業の道と、一人ひとりに合わせてオーダーメイドで組み立てます。支援の全体像はサービス紹介にまとめています。
休学は、レールから外れることではありません。いったん立ち止まって、自分の進みたい方向を選び直すための時間です。その時間を空白のまま過ごすのか、次の一歩の助走に変えるのか——分かれ目はそこにあります。
「自分の場合はどうすればいいんだろう」と少しでも思ったら、一人で抱え込まずに一度話してみてください。LINEの無料相談では、進路がまだ何も決まっていない段階の相談も歓迎しています。お問い合わせフォームやよくある質問もあわせてご覧ください。立ち止まったこの時間を、あなたの味方に変えていきましょう。