「高校をやめたい」と思うのは、甘えじゃない
「もう高校に行きたくない」「このまま辞めてしまいたい」――そう思いながら、この記事にたどり着いた高校生は少なくないはずです。私はこれまで、自分自身が通信制高校で学んだ経験を持ちながら、複数の仕事を掛け持ちする「マルチキャリア」の立場で、多くの高校生の進路相談に向き合ってきました。その中で最初に伝えたいのは、「高校をやめたい」と感じること自体は、決して甘えでも逃げでもないということです。
朝起きられない、教室に入ると息が苦しくなる、授業の内容が自分の将来とつながって感じられない――理由は人それぞれです。背景に起立性調節障害(OD)のような身体的な要因や、人間関係の疲れ、学習のつまずきが隠れていることもあります。これらは「気合いが足りない」で片づく問題ではありません。文部科学省の調査でも、毎年4万人前後の高校生が中途退学しており、あなただけが特別なわけではないのです。
大切なのは、「やめたい」という気持ちを否定して我慢し続けることでも、勢いだけで今すぐ辞めることでもありません。その気持ちを入り口にして、自分に合う環境を選び直すこと。高校は「ゴール」ではなく「進路を開くための手段の一つ」にすぎません。手段が合わないなら、別の手段に乗り換えればいい。まずはその前提から、一緒に整理していきましょう。
辞める前に。勢いで決めないための3つの問い
「やめたい」気持ちは本物でも、辞めるという行動を勢いだけで起こすのはおすすめしません。退学は手続き上いつでもできますが、一度辞めると元の学校に戻るのは簡単ではないからです。後悔しない判断のために、自分にこう問いかけてみてください。
問い①「やめたいのは"学校全部"か、それとも"今のこの環境"か」。クラスや部活、特定の先生との関係など、原因が一部分にあるなら、転校や環境調整で解決できる可能性があります。一方、「学校という枠組みそのものが自分の時間を奪っている」と感じるなら、後述する通信制や高卒認定が合うかもしれません。原因の切り分けが、選択肢を絞る第一歩です。
問い②「辞めたあと、何をしている自分でいたいか」。大学に進みたいのか、やりたいことに時間を使いたいのか、いったん休んで回復したいのか。ゴールの方向が見えると、選ぶべき道は自然と決まってきます。今この問いに答えられなくても焦る必要はありません。やりたいことが見えない人は、「やりたいことがない」高校生へ|進路を見つける3ステップもあわせて読んでみてください。
問い③「一人で抱え込んでいないか」。退学は人生の大きな分岐点です。親や信頼できる大人、第三者の専門家に一度は話してみてください。反対されるのが怖くて黙っている人も多いですが、選択肢を知ったうえで一緒に考えてくれる味方がいるだけで、見える景色は大きく変わります。
高校をやめたい君に残された5つの選択肢
「やめる=中卒で終わり」ではありません。あなたの状況に応じて、現実的には大きく5つの道があります。ここで全体像をつかんでおきましょう。
① 今の高校を、環境を変えて続ける
原因が一部分にあるなら、辞めずに済む方法を探るのも立派な選択です。担任やスクールカウンセラーへの相談、クラス替え、保健室登校など、学校側が用意している調整の余地は意外と広いものです。「卒業まであと少し」という人ほど、続ける価値を一度天秤にかけてみてください。
② 全日制の別の高校へ転校する
「学校自体は嫌じゃないけれど、今の高校が合わない」なら転入・編入という道があります。受け入れ枠やタイミングに制約はありますが、環境がガラッと変わることで通えるようになるケースもあります。
③ 通信制高校に移る
登校日数を抑えつつ「高校卒業」の資格を得たいなら通信制高校が有力です。自分のペースで学べる一方、レポートの自己管理が必要など向き不向きもあります。通信制の実際は通信制高校という選択とマルチキャリアの可能性で詳しく書きました。一度通信制を試して合わなかった人は通信制高校が合わなかった子の4つの選択肢も参考になります。
④ 高卒認定(高認)に切り替える
「学校という枠から完全に離れたい」「浮いた時間を別のことに全力で使いたい」なら、高卒認定試験という選択肢があります。学校に通わなくても大学受験資格が得られる制度で、次の章でくわしく説明します。
⑤ いったん休んで、回復を優先する
心身が限界なら、まず休むことが最善のこともあります。休学制度を使えば籍を残したまま立ち止まれます。「進路を決めること」より「元気を取り戻すこと」が先、という時期は誰にでもあります。
「学校に通わない」を選んだ先に、進路はあるか
5つの選択肢の中でも、相談の現場で「もっと早く知りたかった」と言われることが多いのが高卒認定(高等学校卒業程度認定試験)です。これは文部科学省が実施する国の試験で、合格すれば高校を卒業していなくても大学・短大・専門学校の受験資格が得られます。満16歳から受験でき、年2回チャンスがあります。つまり高校を辞めても、大学進学の道は閉じないのです。
高卒認定の大きな価値は「資格」そのものより、生まれる時間の自由にあります。通信制高校でも一定の登校やレポート提出は必要ですが、高認は合格してしまえば学校の時間割から完全に解放されます。その時間を大学受験対策に集中投下することも、やりたい活動や起業に振り向けることもできる。学校に行かない選択は、決して「遅れ」ではなく、自分の人生の時間を取り戻す選択になり得ます。
もちろん、高認には注意点もあります。一人だと学習のペース管理が難しく、孤立しやすい。だからこそ伴走者の存在が重要になります。私たちCore Learning Communityは、「学校に行かない選択」を肯定したうえで、その子が本当に熱狂できることを起点に進路を設計するオーダーメイド型のサポートを行っています。大学進学を目指すならCLC進学コースで受験のプロが、起業や事業づくりに関心があるなら起業コースで現役の起業家・ビジネスパーソンが一人ひとりに伴走します。中には16歳で高卒認定に合格し、浮いた時間を使って17歳で海外進学を目指す、という道を選ぶ人もいます。サービスの全体像はサービス紹介ページをご覧ください。
一人で抱え込まず、まず誰かに話してみよう
ここまで読んで、「自分にはどの道が合うのか、まだ分からない」と感じても大丈夫です。むしろ正常です。進路は、選択肢を一つひとつ自分の状況に当てはめながら、対話の中で少しずつ輪郭が見えてくるものだからです。一人で考え込むと、どうしても「やめる/続ける」の二択に視野が狭まりがちです。よくある質問でも、高認や進路の不安についてまとめています。
高校を辞めるか迷っている今は、つらいかもしれません。でも「自分に合う環境はどこか」を真剣に考えているという意味で、あなたはすでに自分の進路に向き合い始めています。実際に高校を中退したあとの進路の描き方は、高校中退、その後の進路を再設計するでも具体的に紹介しています。
「自分の場合はどの選択肢が現実的なのか、誰かと一緒に整理したい」と思ったら、いつでも声をかけてください。LINEで無料相談、またはお問い合わせフォームから、あなたの状況をそのまま話してくれて大丈夫です。否定もせず、急かしもせず、あなたが納得できる進路を一緒に描いていきます。