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中本 優生(Yuki Nakamoto)
Academic Mentor|通信制高校・マルチキャリア

高卒認定に合格しても、最終学歴は「中学校卒業」のまま

「高卒認定を取れば、履歴書に『高校卒業』って書けるんですよね?」——CLC(Core Learning Community)で学習メンターとして相談を受けていると、ほぼ毎回この質問が出てきます。私自身も通信制高校を選び、そこから複数の仕事を並行するマルチキャリアを歩んできたので、学歴という言葉に敏感になる気持ちはよく分かります。

ただ、ここは最初に正確に押さえておきたいところです。答えは「いいえ」。高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)は文部科学省が実施する国の試験で、合格すると「高等学校を卒業した者と同等以上の学力がある」と認定されます。しかしこれは学力の認定であって、高校を卒業した扱いにはなりません。したがって最終学歴は「中学校卒業」のままです。

履歴書の学歴欄には「高等学校卒業程度認定試験 合格」と記載するのが一般的です。「高校卒業」と書くのは事実と異なるため避けてください。ここを誤解したまま就職活動に入ると、面接や書類確認の段階で説明に困ることになります。制度の全体像は高卒認定の費用と制度Q&A|保護者向け完全ガイドにまとめているので、あわせて確認してみてください。

そう聞くと「じゃあ意味がないのでは」と感じるかもしれません。ですが、実務の場面では話が変わってきます。次の章で見ていきましょう。

それでも高卒認定が就職で効く3つの場面

最終学歴は変わらない。それでも高卒認定を取る意味は確かにあります。私が進路相談のなかで「ここは効く」と感じているのは、大きく3つの場面です。

1. 応募資格の「高卒程度」をクリアできるケースが多い

求人票や公務員試験の受験資格に「高等学校卒業程度」「高校卒業と同等以上の学力を有すると認められる者」と書かれていることがあります。この表現の場合、高卒認定合格者を対象に含めている募集は少なくありません。特に公務員試験の高卒程度区分では、受験資格として明記されているものが多く見られます。ただし団体や企業によって扱いは異なるため、応募前に募集要項を確認するか、直接問い合わせるのが確実です。

2. 「学歴の空白」に説明がつく

中学卒業後に高校へ行かなかった、あるいは中退した場合、履歴書には数年の空白が生まれます。採用担当者が気にするのは学歴そのものよりも「その期間に何をしていたのか」であることが多い、というのが私の実感です。高卒認定の合格は、その期間に国の試験に向けて学び、結果を出したという明確な証拠になります。

3. その先の選択肢を開いたままにできる

高卒認定に合格していれば、いつでも大学・短大・専門学校を受験できます。20代で「やっぱり進学したい」と思ったときに、あらためて高校に通い直す必要がありません。将来の扉を閉じないための保険として機能する——これが実は最大の価値だと思っています。

高卒認定だけで働くときに知っておきたい現実

一方で、楽観だけを伝えるのは誠実ではないので、現実的な部分も書いておきます。

まず、応募資格を「高等学校卒業者」と限定している求人には応募できないケースがあります。「卒業程度」ではなく「卒業」と書かれている場合、高卒認定合格では要件を満たさないと判断されることがあるためです。求人票の一文字の違いが、そのまま応募可否を分けることがあります。

次に、給与テーブルや初任給の区分が学歴基準の企業では、中卒扱いになる可能性があります。制度として学歴別の賃金体系を持つ企業では、高卒認定合格をどう位置づけるかが企業ごとに異なります。気になる場合は選考の段階で確認しておくとよいでしょう。

そしてもうひとつ。高卒認定は受験年度の終わりまでに満16歳以上であれば受験できますが、合格者としての資格が正式に有効になるのは18歳の誕生日以降という運用があります。16歳・17歳で全科目に合格しても、すぐに「合格者」として就職活動ができるわけではない点は知っておいてください。年齢と資格の関係は高卒認定は16歳から受けられる|17歳の進路設計で詳しく整理しています。

まとめると、高卒認定だけで就職することは不可能ではないが、選べる求人の幅は高校卒業者より狭くなりやすい——これが率直なところです。だからこそ、「就職」を唯一のゴールに置かない設計が重要になります。

就職を急ぐ前に検討したい2つのルート

高卒認定を取った10代が進む道は、就職だけではありません。相談を受けるなかで、実際に多くの人が選んでいるのは次の2つです。

ルートA:大学・専門学校へ進学して「学歴」を更新する

高卒認定の最大の効用は大学受験資格です。大学や専門学校を卒業すれば最終学歴はそこで更新され、中卒という表記の問題は解消します。学校に通っていない期間に受験勉強へ集中できるのは、むしろ有利に働く面もあります。近年は総合型選抜(旧AO入試)のように、学力試験以外の探究活動や実績を評価する入試も広がっており、高校に通っていない時間の使い方がそのまま強みになるケースも出てきました。具体的なルートは中卒で大学進学する3つのルート|高卒認定からの道を参照してください。学習面の伴走はCLCの進学コースで行っています。

ルートB:雇われる以外の働き方をつくる

もうひとつが、自分で仕事をつくる道です。フリーランスとして受託する、小さな物販を始める、事業を立ち上げる——いずれも学歴で応募資格が制限されない領域です。実際に、10代のうちから制作やイベント運営で収入を得ている人はいます。ここで効いてくるのが、通信制高校では実現しにくい水準の時間の自由です。レポートやスクーリングの枠がない分、平日の昼間から現場に入れます。CLCの起業コースでは、現役の起業家・ビジネスパーソンが実際の事業づくりに伴走しています。

この2つは排他的ではありません。進学しながら事業を続ける人もいますし、まず稼いでから学び直す人もいます。高卒認定のメリットとデメリットを進学の視点で整理した高卒認定のメリット・デメリット|大学進学の視点でも判断材料になるはずです。

学歴の空白は「実績」で埋められる

私が通信制高校を選んだとき、周囲から「その先どうするの」と何度も聞かれました。当時は答えられませんでしたが、今なら言えます。学歴が示せないなら、実績を示せばいい——そして10代は、その実績をつくる時間を最も多く持っている年代です。

ポートフォリオ、売上、運営したイベント、作った作品、続けた発信。こうした具体物は、学歴欄の一行より雄弁に「この人は何ができるか」を伝えます。採用の現場でも、書類の形式より実物を見たいという声は確実に増えています。もちろん万能ではありませんが、学歴以外に語れるものを持っているかどうかで、選択肢の広さは大きく変わります

CLCが大切にしているのは、学校に行かないという選択そのものを否定しないことです。そのうえで、高卒認定で進学資格を確保し、空いた時間を実績づくりに投資する。この順番で設計すれば、「就職か進学か」の二択に追い込まれずに済みます。一人ひとりの状況に合わせたオーダーメイドの進路設計を、学習メンターと現役のビジネスパーソンが一緒に組み立てています。

「自分の場合、就職と進学どちらを先に考えるべき?」と迷ったら、一度話を聞かせてください。LINEの無料相談では、現状や不安を気軽に相談できます。お問い合わせフォームよくある質問もあわせてご覧ください。

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