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岡松 珠美(Tamami Okamatsu)
Career Mentor|行政書士・起業支援・法務

「学校に行かない」は問題行動ではない

「うちの子が学校に行けなくなった。親として何をしてあげられるのか」――行政書士として教育・福祉まわりの相談を受けるなかで、保護者の方から最も多く寄せられるのが、この問いです。最初にお伝えしたいのは、不登校はもはや特別なことでも、保護者の育て方の失敗でもないということです。文部科学省の調査でも、小中学生の不登校は年々増え続け、近年は全国で約34万人に達しています。決して珍しいケースではありません。

制度面でも、国の考え方は大きく変わりました。2016年に成立した教育機会確保法、そして2019年の文部科学省通知「不登校児童生徒への支援の在り方について」では、「学校復帰のみを目標にしない」「学校以外の場で学び・育つことも認める」という方針が明確に打ち出されています。つまり国の制度そのものが、「学校に行かない選択」を前提に組み直されつつあるのです。

背景には、いじめや人間関係だけでなく、起立性調節障害(OD)のような身体的な要因、感覚過敏、学習のつまずき(学習空白)など、本人の努力では解決しにくい事情が隠れていることも少なくありません。だからこそ、まず保護者がすべきは「学校に戻す方法を探す」ことより、「この子が安心して学び続けられる環境はどこか」を一緒に探すことだと、私は考えています。不登校の中学生のいるご家庭については、不登校の中3、高校進学を悩む親へでも具体的にまとめています。

出席扱い制度とICT学習|在籍校との向き合い方

「学校に行けない=出席日数が足りず、進路が不利になる」と心配される保護者の方は多いです。ここで知っておきたいのが、出席扱い制度です。文部科学省の通知により、一定の要件を満たせば、自宅でのICT(オンライン)学習やフリースクールへの通所を、在籍校の指導要録上「出席扱い」にできる仕組みが整っています。

要件は、おおむね次のような内容です。(1) 保護者と学校が連携・協力していること、(2) 訪問等による対面の指導が適切に行われること、(3) 学習内容が学校の教育課程に照らして適切であること。具体的な運用は学校長の判断に委ねられている部分が大きいため、まずは担任・学年主任・スクールカウンセラーに相談し、在籍校としての方針を確認することが第一歩になります。同じ制度でも学校によって運用の柔軟さが異なる、というのが現場での実感です。

近年は、出席扱いに対応した家庭用のオンライン教材・学習サービスも増えました。これらを使えば、家にいながら学習記録を残し、それを在籍校に提出して出席として認めてもらう、という流れがつくれます。注意したいのは、「制度があるから必ず認められる」とは限らないという点です。あくまで学校との合意が前提なので、断定はできません。書面でのやり取りや記録の残し方など、手続き面で不安があれば、専門家に整理を手伝ってもらうのも一つの方法です。

フリースクール・教育支援センターという居場所

学校以外の学びの場として、まず公的に整備されているのが教育支援センター(旧・適応指導教室)です。これは各自治体の教育委員会が設置する公的施設で、不登校の児童生徒が通って学習や活動を行えます。原則として費用はかからず、在籍校と連携して出席扱いの対象にもなりやすいのが特徴です。お住まいの市区町村の教育委員会に問い合わせると、場所や利用条件を案内してもらえます。

もう一つの選択肢が、民間のフリースクールです。運営方針は施設ごとに大きく異なり、学習支援に力を入れるところ、自然体験や対人交流を重視するところなど多様です。本人の状態や興味に合う場所を、見学しながら選ぶのが基本です。民間施設なので月数万円程度の利用料がかかるのが一般的ですが、後述の通り自治体によっては補助の動きも出てきています。

大切なのは、これらを「学校に戻るためのステップ」とだけ捉えないことです。私が相談者に必ずお伝えするのは、居場所は学力よりも先に必要ということ。安心できる場所と、信頼できる大人や仲間とのつながりが回復すると、学習意欲は後から戻ってくるケースが多いのです。学校に行かない選択をした先の進路については、不登校のままでも大学進学できる方法も参考になります。

経済的支援と相談窓口|使える公的サポート

「学校以外の場を使うとお金がかかるのでは」という不安もよく聞きます。使える可能性のある公的サポートを、行政書士の視点で整理しておきます。ただし制度は自治体や年度によって内容が変わるため、最終的には必ずお住まいの市区町村・在籍校で確認してください。ここでは「こういう制度がある」という地図としてお読みいただければと思います。

まず、不登校に特化したものではありませんが、就学援助制度(学用品費・給食費等の補助)は、一定の所得要件を満たす世帯が対象です。ひとり親世帯であれば児童扶養手当などの支援もあります。加えて、フリースクール等の利用料を一部補助する独自制度を設ける自治体も、近年少しずつ増えてきました。金額や対象は地域差が大きいので、「自分の住む地域にあるか」を窓口で確認する価値は十分にあります。

相談先としては、各自治体の教育委員会・教育支援センターのほか、スクールソーシャルワーカー、児童相談所、子ども家庭支援センターなどがあります。医療的な背景(起立性調節障害など)が疑われる場合は、小児科や思春期外来への相談も選択肢です。一つの窓口で解決しようとせず、複数の専門家に分けて相談するのが、結果的に近道になることが多いと感じます。CLCのよくある質問でも、進路面の不安について整理しています。

制度の先にある「進路」を一緒に描く

支援制度は、あくまで「いまを安心して過ごす」ための足場です。保護者の方が次に気になるのは、やはり「この先、進学や将来はどうなるのか」でしょう。ここで強調したいのは、不登校であっても、進路の選択肢はまったく狭まらないということです。中学校は不登校でも卒業できますし、その先には全日制高校だけでなく、通信制高校、そして高卒認定(高等学校卒業程度認定試験)という道があります。

とくに高卒認定は、学校に通わずに大学受験資格を得られる制度で、学校生活そのものが負担になっている子と相性が良い選択肢です。16歳から受験でき、合格すれば大学・短大・専門学校への道がそのまま開けます。制度の実際については、保護者の方に向けて書いた保護者が知らない高卒認定の真実をぜひ読んでみてください。

私たちCore Learning Communityは、「学校に行かない選択」を肯定したうえで、その子が本当に熱狂できることを起点に進路を設計するオーダーメイド型のサポートを行っています。通信制高校では実現しにくい時間の自由を活かし、現役の起業家・ビジネスパーソンや大学受験のプロが一人ひとりに伴走します。大学進学を見据えるならCLC進学コース、起業や事業づくりに関心があるなら起業コースと、本人の方向性に合わせて道を選べます。サービスの全体像はサービス紹介ページをご覧ください。

不登校は、人生の遠回りではありません。むしろ「合わない場所から離れ、自分に合う環境を選び直す力」を身につける時間にもなり得ます。「制度は分かったけれど、うちの子の場合は具体的にどう動けばいいのか」を一緒に整理したい保護者の方は、LINEで無料相談、またはお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。お子さんの状況をうかがいながら、進路の選択肢を一緒に描いていきます。

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