「子どもが中学校に行けなくなって、もう半年が経つ。来春の高校進学をどうすればいいのか、夜になると考え込んでしまう」——こうしたご相談を、毎週のように保護者の方からいただきます。Core Learning Community Founder の狩野善友です。私自身、高校進学のタイミングで「学校に行く」ことを選ばなかった経験があり、その後高卒認定を経て大学・起業へと進んできました。今回は、自分の経験と、これまでCLCで関わってきた数十組のご家族から見えてきたことをもとに、不登校の中3を持つ保護者の方が、焦らず進路を考えるための視点をお伝えします。
「中3で不登校」のリアル——焦りと不安はまっとうな感情です
まずお伝えしたいのは、「中3で不登校」という状況に親として不安を感じるのは、ごく自然なことだということです。文部科学省の調査では、中学校での不登校児童生徒数は近年継続して増加しており、特に中3は「高校進学」という大きな選択を控えるため、家庭内で焦りや葛藤が生まれやすい時期です。
多くの保護者の方は、「このまま家にいて将来どうなるのか」「全日制高校に行けないと人生が詰むのではないか」という不安を抱えています。そのお気持ちは痛いほどわかります。ただ、現場で何百人もの中学生・高校生と接してきた立場から正直に申し上げると、「中3で学校に行けないこと」と「将来うまくいかないこと」の間に、因果関係はほとんどありません。むしろ、中学校で立ち止まる時間があったからこそ、自分の人生について深く考え、20歳前後で大きく羽ばたいていく子を私は何人も見てきました。
不安を消す必要はありません。でも、不安の正体を整理することはできます。多くの場合、保護者の不安は「①進路の選択肢を知らない」「②周囲との比較」「③親自身の経験不足」から生まれています。このうち①は、情報を得ることで解消できます。今回の記事の主目的はここです。
進路は4つある——全日制・通信制・高卒認定・伴走型コミュニティ
「中3の次は全日制高校」というのは、社会的に最も多い経路にすぎず、唯一の選択肢ではありません。私たちは家庭との面談で、いつも次の4つの選択肢を整理してお伝えしています。
① 全日制高校:従来型の選択肢。クラスメイトと毎日通うリズムが合う子には合います。ただし、中学校で学校というシステム自体に深く疲弊しているお子さんが、再び全日制に飛び込むのは負担が大きいことも多いです。
② 通信制高校:学校に在籍しながら、登校頻度を抑えて学ぶ仕組み。卒業すれば最終学歴は「高卒」になります。学費は私立で年間20万〜80万円ほど。同年代の仲間とゆるやかに繋がれる一方、レポート提出やスクーリングは必須です。詳しくは「通信制高校と高卒認定どちらを選ぶ?大学進学への違いを徹底比較」もあわせてご覧ください。
③ 高卒認定試験ルート:高校に在籍せず、文部科学省が実施する高等学校卒業程度認定試験(旧大検)に合格することで、大学・短大・専門学校の受験資格を得る道です。最短で16歳から受験可能、8〜10科目に合格すれば終了。在籍校がないため時間の自由度が非常に高く、起業・留学・芸術活動・スポーツなどに時間を投じやすい選択肢です。「高卒認定試験が開く未来の話」に、私の経験談を詳しくまとめています。
④ 伴走型コミュニティ(高卒認定+メンター):ここがCLCの提案する第4の選択肢です。高卒認定を取りながら、Academic Mentor・Career Mentor・現役起業家・大学生といった多様な大人が日常的に伴走するコミュニティに所属する形です。「ひとりで高卒認定を取って独学で大学を目指す」という孤独な道ではなく、同年代以上に多様な仲間と、自分の進路を一緒に設計していく道です。
「最終学歴」の本質——大卒になれば中卒も高卒も差は消える
保護者の方から最も多くいただく質問の一つが、「高卒認定だと、最終学歴が中卒のままになってしまうのでは?」というものです。確かに、高卒認定試験は「高校卒業者と同等以上の学力を認める試験」であって、学歴そのものは中卒のままです。
ただし、大学・短大・専門学校に進学して卒業すれば、最終学歴は「大卒」「短大卒」「専門卒」に上書きされます。社会に出てから「最終学歴」として参照されるのはあくまで最新の学歴ですから、高卒認定経由か通信制高校経由かは、ほぼ問われません。実際、私の周囲には高卒認定から国公立大学・私立難関大学に進学した若手が複数います。
「とはいえ就職活動で不利になるのでは」というご心配もあるでしょう。ここは正直に申し上げます。新卒採用で書類選考のプロセスを経るような大企業を志望する場合、面接で「なぜ高校に行かなかったのか」を尋ねられることはあり得ます。しかし、それは「自分の人生をどう設計してきたか」を言語化できる絶好の機会でもあります。中学校でつまずいた経験を糧に、自分の判断で進路を選び抜いてきたストーリーは、画一的な学歴より遥かに強い「個性」になります。
もちろん、特定の資格職(公務員試験・教員免許など)では、最終学歴が条件になる場合があります。志望業種が明確な場合は、事前に確認しておくとよいでしょう。詳しい制度面はよくある質問ページでも整理しています。
親が今日からできる3つのこと——子どもとの対話のヒント
進路の選択肢を知った上で、保護者の方にぜひ実践していただきたい3つのことがあります。
① 「決断を急がせない」という姿勢を伝える。中3の秋〜冬は、周囲が一気に願書提出や受験準備に動き出します。その渦に巻き込まれて「早く決めなきゃ」と焦るのは、お子さん本人より、むしろ親側に多い反応です。「来春の4月までに決めなくていい。高卒認定なら16歳から受験できるし、進路は何度でも修正できる」——この一言を伝えるだけで、家庭の空気は大きく変わります。
② 子どもの「やりたくないこと」を一緒に整理する。「やりたいことは?」と聞かれても、不登校状態にある中学生はうまく答えられないことが多いです。むしろ「行きたくない学校はどこか」「やりたくない生活パターンは何か」を一緒に書き出すほうが、子どもにとっても話しやすいテーマです。やりたくないことの輪郭がはっきりすると、消去法で「やってもいいかも」と思える選択肢が浮かんできます。「やりたいことがわからない」は普通ですもあわせてご覧ください。
③ 親自身が「もうひとつの大人」と繋がる。保護者の不安は、お子さん本人より強いケースも多くあります。私がCLCで進路コーチングを担当する際、まず保護者の方とゆっくり話す時間を取るのは、そのためです。家庭内だけで進路を抱え込まず、第三者の専門家を一人介在させるだけで、判断の質も親の心の余裕も大きく変わります。塾や学校以外にも、地域の不登校支援ネットワーク、NPO、私たちのような伴走型コミュニティ——複数の選択肢にアクセスしてみてください。
焦らないために——CLCが伴走するという選択肢
Core Learning Communityは、「学校に行かない」を選んだ中学生・高校生と、その保護者の方を支えるためのコミュニティです。私自身が高卒認定からスタートして起業まで歩んできたからこそ、「学校に行けない自分はダメなんじゃないか」と感じる夜の苦しさも、保護者の方の眠れない不安も、両方の側からわかります。
CLCでは、大学進学を目指す進学コースと、在学中から起業・社会活動に挑戦する起業コースを用意しています。どちらも、Academic Mentor・Career Mentor が高卒認定試験の合格までしっかり伴走しつつ、その先の進路を「正解探し」ではなく「自分らしい設計」として一緒に作り上げていきます。サービス全体像はサービス概要ページからご覧ください。
保護者の方へのご相談も大切にしています。お子さんとの話し合い方、家族としての関わり方、進路設計の考え方——どんな小さなことでも、まずは無料LINE相談からお気軽にメッセージください。最初の一歩としては、「親としての不安を、誰かに聞いてもらう」だけでも構いません。焦らず、一緒に考えていきましょう。