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岡松 珠美(Tamami Okamatsu)
Career Mentor|行政書士・起業支援・法務

「子どもが高校に行かない、もしくは中退を考えている。高卒認定という選択肢があるのは聞いたけれど、本当に大丈夫なのか不安が消えない」——CLCに保護者の方からいただくご相談で、いちばん多いテーマがこれです。岡松(おかまつ)と申します。行政書士として制度面の相談を受けつつ、CLCではCareer Mentorとして起業や進路の伴走を担当しています。高卒認定(正式名称:高等学校卒業程度認定試験)は、文部科学省が実施する国家試験です。にもかかわらず、制度を正確に把握する機会は少なく、結果として「なんとなく不安」だけが残ってしまうご家庭が多い。この記事では、保護者の方が抱きがちな高卒認定にまつわる5つの誤解を、制度の根拠と一緒に整理します。

「高卒認定はなんとなく不安」のままにしない

まず最初にお伝えしたいのは、「不安の正体を、できるだけ具体的な情報に置き換える」ことが、お子さんの進路選択を支える土台になる、ということです。保護者の方の不安は、たいていの場合「制度がよくわからない」「世間体が気になる」「将来の選択肢が狭まる気がする」の3つに集約されます。このうち、制度面の不安は、文部科学省が公表している情報を読めばかなりの部分が解消できます。

「高卒認定」と「高校卒業資格」は、制度上は別の枠組みです。前者は受験資格を与える試験合格証、後者は学校教育法に基づく卒業証書。ただ、「受験・就職・国家試験の場面で高卒と同等に扱われる」という運用が積み重なっており、実生活でこの2つを区別する必要が出てくる場面は意外に限定的です。

もう1つ大切なのは、「高卒認定を取る」ことは進路のゴールではなく、「大学・専門学校・海外進学・起業・就職といった次の選択肢に進むためのチケット」だと位置づけること。中3〜高校生本人がどんな道を歩むかは、高卒認定取得後の伴走設計で決まります。CLCのスタンスは私たちの想い私たちについてにまとめています。

誤解①:高卒認定は「高校卒業」と同じ扱いになる?

結論からお伝えすると、高卒認定は「高校卒業」と完全に同一ではありませんが、進学・就職の多くの場面で同等扱いになります。文部科学省の公式説明でも、合格者は「大学・短大・専門学校の入学資格」を得るとされ、加えて多くの国家試験・公務員試験で高校卒業者と同じ受験資格が認められています。

違いが出るとすれば、最終学歴の表記です。高校卒業の場合は「高校卒業」、高卒認定のみの場合は「高等学校卒業程度認定試験合格」または「中学校卒業」と書くのが正確です。ただし、大学・専門学校に進学した場合、その時点での最終学歴は当然「◯◯大学卒業」「◯◯専門学校卒業」となるため、高卒認定の表記が問題になるのは「最終学歴が高卒認定で止まった場合」だけと言えます。

つまり、お子さんが高卒認定取得後に大学・専門学校・海外大学などに進学する設計であれば、長期的に履歴書で気にする必要はほぼありません。具体的な進学ルートは、中卒で大学進学する3つのルート|高卒認定からの道通信制高校と高卒認定どちらを選ぶ?大学進学への違いを徹底比較に整理していますので、ぜひ合わせてお読みください。

誤解②:大学進学では不利になるのでは?

これも保護者の方から本当によく聞く不安です。結論を先に書きます。大学受験の合否判定において、高卒認定であることが直接的に不利になることはありません。一般選抜(旧一般入試)は学力試験の点数で合否が決まりますし、共通テストも高卒認定合格者は普通に受験できます。

むしろ、私の指導現場で見ていて感じるのは、「高校に通っていないことで生まれる時間」を学習に投下できる場合、難関大の対策で有利に働くケースがあるということです。全日制高校に通う生徒は週30コマ前後の授業+部活動+行事に時間を取られますが、高卒認定ルートの生徒は1日のうち5〜7時間を自分の意志で受験対策・探究活動に充てられる。これは大きな差です。難関大学を目指す場合の具体的な戦略は難関大学対策の進め方総合型選抜の始め方|高2から動く受験戦略5ステップを参考にしてください。

注意したいのは、総合型選抜・学校推薦型選抜の一部で、高校3年間の評定平均や校長推薦が出願条件になっている大学・学部があること。この場合、高卒認定合格者は出願できない、もしくは「高校在籍に準ずる代替書類」が必要になります。志望校が決まったら早めに募集要項を確認するのが大切です。CLC進学コースでは、こうした出願要件のチェックも含めて伴走しています。

誤解③:就職活動で不利・偏見を持たれる?

「大学に行かず、高卒認定だけで就職する場合、企業から偏見を持たれるのではないか」——これも自然な不安です。事実関係を整理すると、高卒認定合格者は、多くの企業の採用基準において「高卒以上」の要件を満たすと扱われます。公務員試験(高卒程度)・各種国家資格試験(保育士、看護師受験資格、税理士など)でも高卒と同等の受験資格が認められています。

とはいえ、企業の人事担当者全員が高卒認定の制度を熟知しているわけではなく、面接で「なぜ高校を出ていないのか」を聞かれるケースは確かにあります。大切なのは、その問いに対して「自分の言葉で進路選択の理由を語れる」状態をつくること。学校に通えなかった事実をネガティブに隠すのではなく、その期間に何を考え、何を選び、何を学んだのかを言語化できれば、むしろ面接で強い印象を残せます。

これは私が行政書士として若年層のキャリア相談を受ける中で、繰り返し実感している点です。「高卒認定であること」より「その先で何を選んだか」のほうが、ずっと重く評価される。10代のうちから自分のキャリアを言語化する力を育てる場として、CLC起業コースのように小さな事業や活動に挑戦する経験を持っておくのも一つの選択肢です。具体的なステップは高校生 起業の始め方|10代の小さなビジネス3ステップもご覧ください。

誤解④:高校に行かないと社会性が育たない?

「高校生活は勉強だけじゃない。同級生との関わりや行事で社会性が育つはず。それを飛ばして本当に大丈夫なのか」——保護者の方の不安として、これは制度面の話と並んでとても大きいテーマです。正直にお答えすると、「全日制高校に通うのと同じ形の社会経験」は得られません。ここはごまかしてはいけない部分です。

ただ、社会性が育つ場は、必ずしも全日制高校だけではありません。地域コミュニティ、習い事、オンラインの学習コミュニティ、アルバイト、ボランティア、自分が始めた小さなプロジェクト——10代が他者と関わり、責任を引き受け、対話の練習をする場は、学校の外にも多数存在します。むしろ、年齢も背景も異なる人と関わる経験は、同年代の同質性が高い全日制高校では得にくいとも言えます。

CLCに参加するメンバーが社会性を育てている場の例としては、現役の起業家・社会人メンターとの定期面談、メンバー同士のプロジェクト協働、進学コースでの学習チーム、地域での実地体験などがあります。詳しくはサービス概要通信制高校とマルチキャリアの進路設計に整理しました。「学校に行かない=孤立する」ではなく、「学校以外の場で社会性を意図的に育てる」という設計が現実的な答えだと、私たちは考えています。

誤解⑤:高卒認定を取れば「あとは安心」?

最後は、保護者の方というよりお子さん本人の側に起こりがちな誤解です。高卒認定の合格はゴールではなく、進路設計の入り口であること。これは私たち伴走者が必ず最初に伝えています。

高卒認定の試験そのものは、高校1〜2年生レベルの基礎学力で合格点(各科目40点前後が目安)に届くケースが多く、受験対策に集中すれば半年〜1年で合格に到達する生徒が大半です。問題は「合格した後に何をするか」。大学受験対策、海外進学準備、起業や事業づくり、専門スキルの習得——選択肢が広いぶん、本人が伴走者と一緒に「次のチケットを何で使うか」を設計しないと、合格後にかえって立ち止まってしまうケースがあります。

このタイミングで保護者の方にお願いしたいのは、「合格後の進路を一緒に考える」のではなく、「合格後の進路を本人が選べる環境を整える」こと。情報を集める、相談相手を増やす、家族で対話する時間を持つ——これだけでお子さんの選択の質は大きく変わります。家庭での対話のヒントは「やりたいことがない」子に親はどう関わるか|3つの視点不登校の中3、高校進学を悩む親へ。焦らず選ぶ4つの道にまとめています。よくある質問の一覧はFAQもご覧ください。

高卒認定は、正しく理解すれば「お子さんの進路の選択肢を狭める制度」ではなく、むしろ広げるための国家資格です。5つの誤解を1つずつ解いていけば、ご家庭で抱えていた不安の輪郭はかなり変わるはずです。それでも残る不安や疑問があれば、無料の個別相談で一緒に整理させてください。CLCは、本人だけでなく保護者の方とも継続的に対話する伴走を大切にしています。

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