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楊 品昭(Hideaki Yang)
Academic Mentor|難関大対策・学習戦略

総合型選抜が見ているのは「学校の実績」ではない

「高卒認定だと、部活も生徒会もないから総合型選抜では戦えないですよね」——難関大対策のメンターとして受験相談を受けていると、この不安をぶつけられることが本当に多くあります。私自身、学習戦略を組み立てる立場で何人もの出願書類に伴走してきましたが、この前提はほぼ誤解だと言い切れます。

総合型選抜(旧AO入試)で大学が見ているのは、「その学校の看板を背負った実績」ではなく「あなた個人が何に向き合い、何を考え、どう動いたか」です。全国大会の賞状が一枚あるかどうかより、なぜそれに取り組んだのか、途中で何につまずき、どう作り直したのかを言語化できるかどうかが評価されます。アドミッション・ポリシー(求める学生像)との接続を求める大学がほとんどで、逆に言えば接続を語れない受賞歴は、思ったほど効きません

ここで高卒認定ルートの立ち位置が変わります。学校行事や授業の枠に時間を取られない分、一つのテーマに長く深く潜れる時間を持てるからです。全日制の高校生が週に数時間しか割けない探究活動に、平日の昼間から入っていける。これは総合型選抜の始め方でも触れているとおり、この入試方式との相性がむしろ良い条件です。

高卒認定ルートで出願するときの、書類と資格の実務

実績づくりの話に入る前に、事務的なところを片づけておきましょう。ここでつまずく人が毎年一定数います。

出願資格:何歳から出願できるのか

高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)は文部科学省が実施する国の試験で、16歳になる年度から受験できます。ただし大学受験資格が実際に発生するのは、18歳に達した日以降です。つまり16歳で合格しても、大学に出願できるのは18歳になってから。この時間差を「空白」と捉えるか「準備期間」と捉えるかで、進路の設計は大きく変わります。詳しくは高卒認定は16歳から受けられる|17歳の進路設計にまとめています。

提出書類:調査書の代わりに何を出すか

全日制の高校生が提出する「調査書」を、高卒認定ルートの受験生は用意できません。多くの大学では代わりに高卒認定の合格証明書・合格成績証明書の提出を求めます。加えて、活動報告書や志望理由書、自己推薦書といった書類の比重が相対的に高くなるケースもあります。

ただし扱いは大学・学部ごとに異なります。「高卒認定合格者は別途書類を提出」と募集要項に明記されていることもあれば、記載が薄く問い合わせが必要なこともある。ここは推測で進めず、志望校の最新の募集要項を必ず確認し、不明点は入試課に直接聞いてください。出願直前に発覚すると、間に合わないことがあります。

評価される実績は、4つの箱から生まれる

「実績をつくれ」と言われても、何をすればいいのか分からない。当然です。そこで私は、次の4つの箱に分けて考えることを勧めています。

箱1:探究(問いを立てて調べる)

志望分野に関わる問いを一つ立て、半年から1年かけて調べ、まとめる。文献を読む、データを集める、専門家に話を聞く。地味ですが、学問への接続がいちばん強く、面接でも深く掘られたときに耐えます。理系志望なら実験や計測、文系志望ならフィールドワークや文献調査が中心になります。

箱2:事業・仕事(自分で価値を出す)

小さくても構いません。制作を受託する、物販をやってみる、イベントを運営する。売上や利用者数といった他者の評価が数字で返ってくる経験は、志望理由書の説得力を一段引き上げます。CLCでは現役の起業家・ビジネスパーソンが実際の事業づくりに伴走しており、起業コースで取り組んだ内容がそのまま活動実績になった例もあります。

箱3:発信(考えを外に出し続ける)

ブログ、note、動画、SNS。継続的な発信は、「いつから、どれだけ考え続けてきたか」の証拠として機能します。日付が残るのが強みです。バズる必要はありません。むしろ本数と一貫性が効きます。

箱4:学外プログラム(第三者の場に出る)

大学の公開講座、研究室訪問、コンテスト、ボランティア、地域の活動。学校以外の場で第三者に評価される機会は、高卒認定ルートでも等しく開かれています。むしろ平日に動ける分、参加しやすい面があります。

4つすべてを埋める必要はありません。2つの箱を深く掘るほうが、4つを浅く並べるより強い——これは書類を見てきた実感です。

活動を「書ける実績」に変える3ステップ

やったことがあるのに、書類に落とし込めない。これも頻出のつまずきです。次の3ステップで変換します。

ステップ1:記録を残す。活動した日に、何をして何を考えたかを短くメモする。後からまとめて思い出そうとしても、細部は必ず飛びます。日付・やったこと・気づき・次の一手、この4行で十分です。半年続ければ、それ自体が資料になります。

ステップ2:「問い」と「変化」の形に整える。大学が読みたいのは活動一覧ではなく、「最初はこう思っていた → こうつまずいた → だからこう変えた → 今はこう考えている」という変化の軌跡です。成果よりプロセス、成功より修正。うまくいかなかった話こそ書く価値があります。

ステップ3:志望学部の学問に接続する。その経験から生まれた問いが、なぜこの大学のこの学部でなければ深められないのか。ここまで書けて、はじめて志望理由書になります。カリキュラムや研究室、教員の研究テーマまで調べて具体名を挙げられると、説得力は明確に変わります。

この変換作業は一人でやるとどうしても独りよがりになりがちなので、第三者に読んでもらうことを強く勧めます。CLCの進学コースでは、学習メンターが書類の設計段階から面接想定まで並走しています。

逆算スケジュール:出願の12か月前から動く

総合型選抜は、原則として出願が9月以降、合格発表が11月以降という日程で行われます(実施時期は大学により異なるため要確認)。そこから逆算すると、動き出しの目安はこうなります。

12〜9か月前:高卒認定の受験・合格を先に片づける。試験は例年、夏と秋の年2回実施されています。受験科目の要否は取得済み単位によって変わるので、早めに確認を。学習面の進め方は高卒認定から大学受験へ|合格する勉強法と時間戦略が参考になります。並行して、箱1〜4のうち取り組むテーマを決めます。

9〜4か月前:活動を回しながら記録を貯める。同時に志望校を3〜5校に絞り、募集要項で提出書類と評価方法を確認する。高卒認定合格者の扱いをここで潰しておきます。

4〜1か月前:志望理由書・活動報告書を書き、第三者に読んでもらって改稿を重ねる。並行して小論文と面接の練習。共通テストを課す方式もあるので、学科試験の準備が必要かどうかも確認しておきます。

避けたい失敗は3つ。①募集要項の確認が遅れる、②活動の記録を残さない、③総合型選抜だけに絞って一般選抜の学力を捨てる。特に③は危険で、総合型で不合格になったときに戻る場所がなくなります。学力は最後まで並行して積んでおいてください。判断材料として高卒認定のメリット・デメリット|大学進学の視点でもあわせてどうぞ。

CLCが大切にしているのは、学校に行かないという選択そのものを否定しないことです。そのうえで、空いた時間を実績に変える設計を一緒に組み立てる。一人ひとりの状況に合わせたオーダーメイドの進路設計を、学習メンターと現役のビジネスパーソンが伴走しています。

「自分の活動は実績になるのか」「志望校の書類はどうなっているのか」——迷ったら一度話を聞かせてください。LINEの無料相談で気軽に相談できます。お問い合わせフォームよくある質問もご覧ください。

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