「通信制高校なら自分のペースで続けられると思ったのに、いざ入学したら課題やスクーリングがきつい」「画面の向こうにクラスメイトはいるのに、結局孤立してしまった」——中本(なかもと)と申します。CLCで通信制高校出身者の伴走を担当しているAcademic Mentorです。私自身が複数のキャリアを並走してきた経験から、「通信制でも合わなかった」という相談を年間で何件も受けています。結論からお伝えすると、通信制高校が合わない=失敗ではありません。今いる場所が苦しいなら、次の進路を冷静に選び直せばいい。この記事では、通信制高校と高卒認定の徹底比較を踏まえつつ、通信制が合わなかった中学生・高校生・ご家族に向けて、現実的な4つの選択肢を整理します。
「通信制高校が合わない」は珍しくない
まず最初にお伝えしたいのは、通信制高校に入ってから「合わない」と感じる生徒は決して少数派ではないということです。文部科学省の学校基本調査でも、通信制高校の生徒数は2010年代後半から増加傾向にあり、それに伴って中途退学や転籍を選ぶ生徒も一定数います。理由はさまざまですが、私が現場で聞く声を整理すると、概ね次の3パターンに分かれます。
1つ目は「自宅学習が続かない」パターン。通信制は学習時間の大半を自分で管理する必要があるため、もともと全日制に馴染めなかったお子さんが、結局通信制でも同じ壁にぶつかるケースがあります。2つ目は「スクーリング・行事への参加が想像以上に重い」パターン。多くの通信制高校は年に数回〜十数回の対面授業(スクーリング)が必要で、対面が苦手なお子さんには負担になります。3つ目は「学校外で本気でやりたいことができた」パターン。創作、起業、スポーツ、海外活動など、学校のスケジュールと両立しづらい挑戦が出てきた場合です。
どのパターンにも共通して言えるのは、合わなかったという感覚は「あなたが弱いから」ではなく「制度との相性の問題」だということ。通信制高校とマルチキャリアの進路設計でも触れた通り、通信制は1つの選択肢にすぎず、その先にもまだ複数の道があります。次の章から、4つの選択肢を具体的に見ていきます。
選択肢①:別の通信制/サポート校に転校する
最初の選択肢は、同じ通信制という枠の中で、より自分に合う学校・サポート校に転校する道です。一口に通信制高校と言っても、学校ごとに学習スタイルは大きく異なります。スクーリングが年1回の集中型・月数回の通学型・週数日のキャンパス型など、運用は本当に多様。今の学校で躓いているポイントが「対面授業の頻度」や「課題管理の仕組み」であれば、同じ通信制でも別の学校に移ることで解決するケースは多いです。
転校先の候補として整理しておきたいのは、(1) 通信制高校(広域・狭域)、(2) サポート校、(3) 通信制+技能連携校の3タイプ。サポート校は単独では卒業資格が出ない代わりに、通信制高校と提携して学習サポートを手厚く提供する形式で、対面のフォローが欲しいお子さんに向いています。技能連携校は専門分野(美容・調理・IT・スポーツなど)を学びながら高卒資格も取れる仕組みです。
転校する場合の注意点は、(a) 単位の引き継ぎ、(b) 学年・卒業時期のズレ、(c) 学費の二重発生。すでに取得した単位の何割が引き継がれるかは学校ごとに異なるので、転校前に必ず確認してください。学費は、月途中の退学だと当月分が満額請求されるケースもあります。よくある質問と合わせて、複数校の説明会に参加して比較するのが安全です。
選択肢②:高卒認定試験に切り替えて学校の外で学ぶ
2つ目は、通信制高校を退学し、高卒認定試験(正式名称:高等学校卒業程度認定試験)の合格を目指す道です。高卒認定は文部科学省が実施する国家試験で、合格すれば大学・短大・専門学校・各種国家試験の受験資格、多くの企業の「高卒以上」要件を満たす扱いを受けられます。高卒認定が拓く未来の進路と保護者が知らない高卒認定の真実に制度の詳細を整理しています。
通信制高校で挫折した経験があるお子さんにとって、高卒認定が向いているのは「学校という枠そのものが負担になっていた」ケースです。スクーリング・課題提出スケジュール・グループワーク・行事といった「学校に紐づく義務」がゼロになるので、自分のペースで受験対策に集中できます。試験は年2回(8月・11月)実施、最大8〜10科目で、各科目40点前後が合格目安。半年〜1年で合格に到達する生徒が大半です。
注意点は、高卒認定そのものはゴールではないこと。合格後に「大学進学・専門学校・起業・就職・海外進学のどれを選ぶか」を設計しないと、合格後に立ち止まってしまいます。CLCの高卒認定コースでは、合格そのものだけでなく合格後の進路設計までを伴走する形を取っています。さらに進学に振り切るならCLC進学コース、起業・事業づくりに挑戦したいならCLC起業コースのように、合格後の伴走者と先に接続しておくのがおすすめです。
選択肢③:いったん休んで「整える」期間をつくる
3つ目は、いったん通信制高校を休学・退学して、心身と進路を整える期間(ギャップイヤー)をつくる選択肢です。日本では馴染みが薄いですが、海外では大学進学前後に1年間休んで自分の軸を整える文化が定着しています。10代の段階でも、休む選択は「逃げ」ではなく「進路を選び直すための準備期間」として有効です。
このルートが向いているのは、(1) 学習以前に睡眠・食事・生活リズムが崩れている、(2) メンタルクリニックや医師から休養を勧められている、(3) どの選択肢を選んでも気が乗らないほど消耗している、というケース。「何かを始める前に、まず止まる」のが回復の第一歩になります。私自身、過去にバーンアウトを経験した時、半年間ほぼ意図的に何もしない時期を作りました。結果として、その後の選択は格段にクリアになりました。
休む期間中にやってほしいのは2つだけ。(a) 生活リズムを整える、(b) 信頼できる大人と週1回でも対話する。学習の遅れは、生活リズムと対話相手さえ確保できれば、後からいくらでも取り戻せます。逆に、ここを飛ばして急いで次の進路に飛び込むと、同じパターンを繰り返しやすい。家庭での対話の取り方は「やりたいことがない」子に親はどう関わるかと不登校の中3、高校進学を悩む親へを参考にしてください。
選択肢④:海外の高校・進学プログラムを使う
4つ目は、日本の通信制高校を離れ、海外の高校・オンライン高校・進学プログラムに切り替える道です。「いきなり海外?」と思うかもしれませんが、近年はオンラインで卒業まで完結する米国系・英国系の高校、フィリピン・マレーシアなど英語圏アジアの語学+高校プログラム、ヨーロッパの公立高校編入など、選択肢は10年前と比べて圧倒的に広がっています。
このルートが向いているのは、(1) 英語学習や異文化への興味が強い、(2) 日本の学校文化そのものに合わなさを感じている、(3) 将来的に海外大学進学を視野に入れている、というケース。実例として、CLCがサポートする生徒の中には16歳で高卒認定→17歳で海外進学というルートを選んだ方もいます。海外大学側は「高卒認定+IELTS/TOEFL等のスコア+エッセイ+活動実績」で評価する大学が多く、日本の高校卒業証書を持っていなくても出願できる大学が増えています。
注意点は、(a) 費用、(b) 語学準備、(c) 安全面のサポート体制の3つ。費用は留学エージェントを介さずに学校と直接やり取りすれば抑えられるケースもあります。語学準備は最低6か月〜1年は見ておく方が安心。安全面では、現地のサポート機関や保護者ネットワークが整っているプログラムを選ぶこと。判断材料が不足している場合は、CLCの無料相談で個別に整理することもできます。「学校に行かない」選択を肯定するCLCのスタンスは私たちの想いとCore Valuesに詳しくまとめています。
4つの選択肢を並べてみて感じていただきたいのは、「通信制高校が合わない」のあとに進める道は1本道ではないということ。お子さん本人の体力・気力、ご家庭の状況、学費、将来やりたいこと——複数の軸を並べたとき、最適解は人によって違います。CLCでは、現役のメンターと一緒にこの4つを比較しながら、本人が納得できる選択肢を見つけるための個別相談を行っています。1人で抱え込まずに、まず話してみてください。