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岩田 瞬(Shun Iwata)
Academic Mentor|文系科目・学習計画

「何をしていいかわからない」が、いちばんきつい

私はCore Learning Communityで、文系科目の指導と生徒一人ひとりの学習計画づくりを担当しています。週に一度、その週の予定を一緒に引き直す面談で、いちばん多く聞く言葉があります。

「学校に行かない日、何をしていいかわからない」

この言葉を言う人は、たいてい自分を責めています。「時間はあるのに何もしていない」「だらけている自分が嫌だ」と。でも私の指導経験から言えば、それはさぼりではありません。枠組みが外れただけです。

学校は、良くも悪くも1日の輪郭を外から与えてくれる仕組みでした。中身に納得していなくても、その枠があるだけで「今日は何かをした日」になります。それがなくなった瞬間、時間は自由になるのではなく輪郭を失う。朝がいつのまにか夕方になっている、あの感覚です。

だから最初にやるべきことは、勉強量を増やすことではありません。1日に輪郭を戻すことです。ここを飛ばして「まず勉強しなきゃ」と始めた人は、ほぼ確実に三日で止まります。順番の問題です。

最初に整えるのは勉強じゃない——「起きる時間」ひとつだけ

最初の一歩として私が必ず提案するのは、たったひとつ。起きる時間を固定する。寝る時間ではなく、起きる時間です。

理由はシンプルで、入眠時刻は意志でコントロールしにくいのに対し、起床は外側から介入できるからです。アラーム、カーテン、水を飲む——「眠くなる努力」よりずっと再現性がある。朝に光を浴びれば、その日の夜の眠気も少し前倒しになります。起床が先で、就寝は後からついてくる。

ただし、いきなり「明日から7時」はやめてください。ほぼ失敗します。今の起床時刻から30分だけ早める。3日〜1週間続けて、慣れたらまた30分。7時起きに戻るまで2か月かかって構いません。急ぐと反動が来て、結局もとより遅くなります。

もうひとつ、必ず書いておきたいことがあります。朝どうしても起きられないのは、気持ちの問題ではないケースもあります。起立性調節障害のように朝の低血圧で体が動かない状態は、意志の力でどうにかなるものではありません。「午前中だけ極端にしんどいが夕方は元気」という波があるなら、一度小児科や内科で相談する価値はあります(詳しくは起立性調節障害で学校に行けない君へ)。怠けていると決めつける前に、体を確認してほしいのです。

1日を3つのブロックに分ける——積む・入れる・出す

起きる時間が安定してきたら、次は中身です。ここで時間割を細かく作ろうとすると、また失敗します。私が生徒と一緒に作るのは、3つのブロックだけの設計図です。

ブロックA:積む時間(60〜90分)

学習の時間です。ポイントは、学年相当の内容から始めないこと。つまずいている人の多くは、教科書が難しいのではなく、その前の土台が抜けています。中学範囲の英単語や計算からやり直すのは遠回りに見えて、いちばん速い(手順は不登校で勉強が遅れても大丈夫に)。時間は60〜90分で十分。長さより、毎日同じ時間帯に置くことが効きます。

ブロックB:入れる時間(自由)

本を読む、動画を見る、人と話す。自由でいいし、成果を求めなくていい。ただし「何を入れたか」だけは一行メモに残す。総合型選抜の志望理由書も、起業のアイデアも、結局はここに溜まったものから出てきます。

ブロックC:出す時間(30分〜)

いちばん抜けやすく、いちばん大事です。書く、作る、発信する、小さく売ってみる。何でもいい。入れるだけの日々が続くと、人は自己評価を上げられません。何かを外に出した日は、確実に「した日」になります。

合計3〜4時間。「学校の6時間授業より少ない」と気にする人がいますが、比べる必要はありません。密度の話であって、長さの話ではないからです。高卒認定は科目合格制で、一度に全科目そろえる必要がない。1日90分の積み上げでも、年2回の試験で科目は着実に減ります。合格後の時間の設計は高卒認定を取った後どうする?時間の使い方もあわせてどうぞ。

昼夜逆転から戻すときの、現実的な手順

「もう完全に昼夜逆転していて、朝の話が届かない」という人もいると思います。ここで大事なのは3つです。

第一に、夜のブロックを取り上げないこと。深夜に元気になるのは、その時間が唯一「誰にも急かされない安全な時間」だからというケースが多い。先に奪うと、生活は整うどころか荒れます。朝側から30分ずつ削る。

第二に、朝いちばんに光を入れること。起きた直後にカーテンを開ける、ベランダに30秒出る。運動でも散歩でもなく、まず光です。体内時計は光でしか大きく動きません。

第三に、崩れた日を「失敗」に数えないこと。1週間のうち3日戻せたら前進です。生活リズムは折れ線で見るもので、1点だけで判断すると必ず落ち込みます。私が面談で使うのも週単位のふり返り——「今週は何日起きられたか」だけを数える。これなら1日崩れても再開できます。

そしてもうひとつ。生活リズムが戻らない最大の理由は、意志の弱さではなく「起きる理由がないこと」です。10時に人と話す約束がある——その一点があるだけで、朝は驚くほど動きます。予定が先にあって、リズムは後からついてくる。だから私は、リズムの話と進路の話を切り離しません。

保護者の方へ——「管理」ではなく「設計」を手伝う

ここからは保護者の方へ。お子さんが家にいる時間が長くなると、気になるのは「今日、何をしていたのか」だと思います。ただこの問いは毎日繰り返されると、確認ではなく採点として届きます。答えられない日が続くと、子どもは会話そのものを避けるようになります。

おすすめは、時間軸をずらすことです。「今日何してたの?」ではなく「今週、どこまで進めたい?」。過去を問うと言い訳が必要になり、未来を問うと一緒に考える形になります。同じ関心なのに受け取られ方がまったく違う。日々の関わり方は不登校の子への親の接し方にも具体例をまとめました。

それでも、家族だけで生活設計まで背負うのは重い作業です。管理する人と伴走する人は、分けたほうがうまくいきます。親が管理役と応援役を同時に担うと、どちらも中途半端になりやすい。私たちCore Learning Communityでは、学習面はメンターが週単位で計画を引き直し、進路や活動の面では現役の起業家・ビジネスパーソンが伴走します。大学進学なら進学コース、何かを立ち上げたいなら起業コース通信制高校では実現しにくい時間の自由を、空白ではなく武器に変えるための設計です。

最後に、本人へ。1日の設計図は、完璧に守るために作るものではありません。崩れたときに戻る場所を持っておくために作るものです。戻る場所さえあれば、何度でもやり直せます。

設計図を一緒に引きたい方は、LINEの無料相談へ、学年と今の起床時間だけ書いて送ってください。保護者の方だけのご相談も歓迎しています。全体像はサービス紹介、制度面はよくある質問お問い合わせからどうぞ。

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