ニュース一覧に戻る
小柳 博之(Hiroyuki Koyanagi)
Career Mentor|起業・民泊・事業立ち上げ

合格した瞬間に、ほとんどの人が固まる

「高卒認定、受かりました。……で、明日から何をすればいいんでしょう」——事業の立ち上げを支援する立場でCLCの面談に入っていると、この質問を本当によく受けます。合格通知が届いた翌週あたり、いちばん嬉しいはずのタイミングで、なぜか手が止まる。

理由ははっきりしています。高卒認定を目指している間は、やることが向こうから決まっていたからです。受験科目があり、試験日があり、その日までに間に合わせればよかった。合格した瞬間に、その時間割が消える。誰も予定を埋めてくれない状態が、いきなり始まります。

全日制や通信制に通っていれば、授業やスクーリングが最低限の骨組みを作ってくれます。高卒認定ルートには、それがありません。これは弱点ではなく、単に骨組みを自分で立てる必要があるというだけの話です。ただ、その事実を知らないまま数か月が過ぎると、「何もしていない期間」が積み上がっていきます。

私は民泊事業を立ち上げた経験から言えるのですが、事業も進路も、うまくいかない原因の多くは能力ではなく時間の設計がないことです。逆に言えば、ここは設計するだけで変えられます。

18歳までの期間は「空白」ではなく「持ち時間」

まず制度の話を整理しておきます。高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)は文部科学省が実施する国の試験で、16歳になる年度から受験できます。一方で、この資格によって大学受験資格が実際に発生するのは18歳に達した日以降です。

つまり16歳や17歳で合格した人には、大学に出願できるようになるまで1〜2年の持ち時間が生まれます。この期間を「待っているだけの空白」と捉えるか、「先に使える時間」と捉えるか。ここが分かれ道です。制度の細かい前提は高卒認定は16歳から受けられる|17歳の進路設計にまとめてあります。

同い年の全日制の高校生は、この期間を授業・部活・行事で埋めています。一日のうち自由に使える時間は、放課後の数時間と休日くらい。対して高卒認定ルートの人は、平日の昼間がまるごと自分のものです。これは通信制高校でも完全には手に入らない自由度で、CLCが「時間の自由」を進路設計の中心に置いている理由でもあります。

ただし正直に書いておくと、この自由は放っておくと消えます。使わなかった平日の昼間は、後から取り戻せません。

時間の使い道は、大きく4つに分けられる

面談で一緒に整理していくと、進路の中身は結局この4つの組み合わせに落ち着きます。どれか一つを選ぶというより、比率を決めると考えてください。

① 学力を先に積む

大学進学を視野に入れるなら、18歳までの期間はそのまま受験準備期間になります。全日制の同学年より早く受験勉強に入れるのは、単純に有利です。高卒認定の合格ラインと大学入試で必要な学力には差があるので、ここは分けて考える必要があります。進め方は高卒認定から大学受験へ|合格する勉強法と時間戦略が参考になります。

② 小さく事業をつくる

私が最も勧めたいのがここです。いきなり法人を作れという話ではありません。ハンドメイドの販売、動画編集の受注、地域のイベント運営——数千円でも自分で売上をつくる経験は、10代のうちにやるほど効きます。うまくいかなかった経験も含めて、後から効いてくる。CLCの起業コースでは、現役の経営者やビジネスパーソンが最初の一歩から伴走しています。

③ 専門スキルを一つ深める

プログラミング、デザイン、語学、映像。何でも構いませんが、広く浅くではなく一つに絞るのがコツです。平日の昼間に毎日3時間使えれば、1年で1000時間近くになります。同学年で同じ量を積んでいる人はほとんどいません。

④ 海外に出る

語学留学、短期プログラム、あるいは17歳での海外進学。日本の大学出願を待つ間に海外のルートを検討する人もいます。費用や在留資格の条件はケースごとに大きく変わるため必ず個別確認が必要ですが、選択肢としては現実的です。具体的な流れは16歳で高卒認定→17歳海外進学のリアルロードマップにあります。

1日の設計図——時間を余らせないための組み立て方

やることが決まっても、時間割がなければ続きません。事業を回すときと同じで、先に枠を作ってから中身を入れるのが順序です。

まず、起きる時間だけ固定する。すべてを完璧に組もうとすると三日で崩れます。最初に決めるのは起床時刻ひとつだけ。学校がなくなった生活で最初に壊れるのはここで、逆にここさえ守れれば残りは後から乗せられます。朝がどうしてもつらい場合は体調面の要因が隠れていることもあるので、起立性調節障害で学校に行けない君へもあわせて読んでみてください。

次に、午前を「積む時間」、午後を「動く時間」に分ける。午前は学習やスキル習得のように一人で集中する作業、午後は人と会う・売る・発信するといった外向きの活動。この2ブロックに分けるだけで、一日の輪郭がはっきりします。

そして、週に一度だけ振り返る枠を置く。日曜の夜に30分。今週やったこと、うまくいかなかったこと、来週変えることを3行で書く。これは事業でいう月次レビューと同じで、記録がないと成長したかどうかが自分でも判断できません。総合型選抜で活動実績を書く段階になったとき、この記録がそのまま材料になります。

最後に、人と会う予定を必ず一つ入れる。学校を離れると、意識しない限り人と会わない生活になります。オンラインの面談でも構いません。週に一度、進捗を誰かに話す相手がいるだけで、続く確率は明らかに変わります。

「何もしていない期間」にしないために、今日できること

ここまで読んで、「4つのうちどれを選べばいいかわからない」と感じた人もいると思います。それで正常です。やりたいことが先に決まっている人のほうが少数派です。

その場合の順番はシンプルで、選ぶ前に、まず小さく試す。1か月だけプログラミングをやってみる、1回だけ何かを売ってみる、1校だけ大学の資料を取り寄せてみる。頭の中で比較しても答えは出ませんが、一度手を動かすと「これは違う」「これは面白い」がはっきりします。判断材料が増えることが、この期間の最大の成果です。

そしてもう一つ。学力の準備は、どの道を選んでも捨てないでください。事業が面白くなってきた人ほど勉強を止めがちですが、大学進学の選択肢を残しておくことは、将来の自由度をそのまま残すことです。両立の設計は進学コースでも相談を受けています。

CLCが大切にしているのは、学校に行かないという選択そのものを否定しないことです。そのうえで、空いた時間を何に変えるかを一緒に設計する。一人ひとりの状況に合わせたオーダーメイドの進路設計を、学習メンターと現役の起業家・ビジネスパーソンが伴走しています。考え方の背景は私たちのミッションにまとめています。

「合格したけれど、次に何をすればいいかわからない」——その状態のまま数か月が過ぎてしまう前に、一度話を聞かせてください。LINEの無料相談から気軽にどうぞ。お問い合わせフォームよくある質問もあります。

あわせて読みたい関連記事