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中本 優生(Yuki Nakamoto)
Academic Mentor|通信制高校・マルチキャリア

全日制が合わない、または合わなくなった。そう感じたとき、多くの人が最初に比べるのは通信制高校です。ただ、それと並んでもう一つ、検討候補に挙がるのが定時制高校です。そして三つ目に高卒認定(高等学校卒業程度認定試験)が出てくる。この三択で止まってしまう相談を、私は毎年いくつも受けます。

私は Core Learning Community で学習メンターを務めています。自分自身が通信制高校を経て、学校の外で複数の仕事を並行させてきました。だから言えることがあります。定時制と高卒認定は、優劣の話ではなく「何を手に入れて、何を差し出すか」がまったく違う選択です。この記事では、学歴・卒業までの年数・費用・使える時間という4軸で違いを整理します。

定時制高校は「夜間」だけではない

定時制高校と聞いて、働きながら夜に通う学校をイメージする人は多いと思います。それは半分正しく、半分は古い像です。定時制課程は学校教育法にもとづく高等学校の課程の一つで、全日制・通信制と並ぶ正規のルートです。かつては夜間部が中心でしたが、現在は午前部・午後部・夜間部を置く「三部制」や、学年に縛られず単位を積み上げる単位制を採用する学校が各地に増えています。

大きな特徴は二つあります。一つは通学して授業を受ける形が基本であること。一日あたりの授業時間は全日制より短く、朝が苦手なら午後部を選ぶといった調整もできます。もう一つは修業年限です。従来の4年制に加え、近年は履修の組み方しだいで3年で卒業できる設計の学校も少なくありません。ただし三部制も3年卒業も全校にあるわけではないため、必ず志望校と自治体の教育委員会の募集要項で確認してください。

そして最も重要な点。定時制高校を卒業すれば、最終学歴は「高等学校卒業」になります。全日制の卒業証書と、書類上の扱いに違いはありません。ここが後で効いてきます。

高卒認定は学校ではなく「試験」

一方、高卒認定は文部科学省が年2回(例年8月と11月)実施する試験です。合格すると大学・短大・専門学校の受験資格が得られ、多くの国家試験・採用試験でも高校卒業と同等以上の学力があると認められます。受験できるのはその年度末までに満16歳以上になる人で、中学卒業直後から挑戦できます。

合格に必要なのはおおむね8〜10科目。出題の中心は中学から高校1年の範囲で、各科目の合格ラインは40点前後が目安とされます(基準は年度・科目で変わるので公式発表を確認してください)。詳しくは高卒認定は難しい?合格率と独学の勉強法にまとめています。

ここで押さえておきたいのが、定時制との決定的な差です。高卒認定に合格しても、最終学歴は「中学校卒業」のままです。これは資格であって学歴ではない。大学に進学して卒業すれば最終学歴は「大学卒業」に更新されますが、進学しない場合は履歴書上、中卒+高卒認定合格という書き方になります。この点の実務的な影響は高卒認定だけで就職できる?最終学歴とキャリアの現実で扱っています。

4軸で比較する——学歴・年数・費用・時間

① 学歴

定時制は高卒、高卒認定は中卒+受験資格。大学進学を前提に置くなら、この差は入口では効きません(どちらも受験できます)。効くのは、進学しない場合や、高卒以上を応募条件にする求人に出会ったときです。「大学に行くか、まだ決めていない」人ほど、この軸を軽く見ないでください。

② 卒業・合格までの年数

定時制は原則3〜4年。高卒認定は最短で数ヶ月〜1年です。8月と11月の年2回あるため、1回目で足りない科目を2回目で埋める設計も現実的です。16歳で合格を取り切り、17歳から次の一歩に進む例もあります(高卒認定は16歳から受けられる|17歳の進路設計)。

③ 費用

定時制は公立であれば授業料の負担は比較的軽く、高等学校等就学支援金の対象にもなります。ただし教材費・通学費・諸会費が数年分かかります。高卒認定の受験料は科目数に応じて数千円台で、参考書代を足しても数万円に収まるケースが多い。ただし独学が難しければ塾や個別指導の費用が別途乗ります。「試験は安いが、学びの伴走は無料ではない」——ここを見落とすと予算が狂います。

④ 使える時間

ここが最大の違いです。定時制は通学と授業という固定の枠があり、数年にわたって週のかたちが決まります。高卒認定は試験日以外に固定の予定がありません。合格後は一日がまるごと空く。この自由は、使い道を設計できる人には武器になり、できない人には空白になります。

通信制も含めた三択の全体像は全日制・通信制・高卒認定の違い|3つの進路を徹底比較で整理しています。

タイプ別・どちらを選ぶかの判断基準

指導の現場で使っている、シンプルな分け方を共有します。断定ではなく傾向として読んでください。

定時制が向きやすい人。同世代と過ごす時間や、決まった時間に行く場所があることが支えになるタイプ。生活リズムを一人で組み立てるのがしんどい人。大学進学をまだ決めておらず、高卒という学歴を確保しておきたい人。

高卒認定が向きやすい人。すでに打ち込んでいるもの(競技・創作・研究・仕事・海外進学の準備など)があり、そこに時間を集中させたい人。体調や起立性調節障害などの事情で、決まった時間に通う前提が体に合わない人。学び直しの範囲がはっきりしていて、個別に進めたほうが速い人。

そして、どちらでもないケースがあります。「学校に通うのがつらいわけではないが、いま学校に費やしている時間の使い道に納得がいっていない」。この違和感は、学校の種類を替えても解けません。必要なのは時間の使い道を決め直すことです。

「余った時間」に何を置くかで進路が決まる

高卒認定を選ぶ最大の理由を、私は「通信制高校でも実現できない時間の自由が手に入るから」だと考えています。通信制にもレポート提出とスクーリングという枠があり、定時制には通学があります。高卒認定にはそれがない。だからこそ、空いた時間に何を置くかを先に決めてから選ぶべきなのです。順番が逆になると、自由は不安に変わります。

Core Learning Community では、そこを空白のまま放置しません。大学進学に振り切るなら進学コースで総合型選抜や一般入試から逆算した計画を組み、自分で何かを始めたいなら起業コースで現役の起業家・ビジネスパーソンが伴走します。学校に行かない選択を、まず肯定する。そのうえで、余った時間を実績に変えていく設計を一緒に描きます。

定時制と高卒認定に優劣はありません。差し出すもの(数年の通学 or 学歴という肩書き)と、手に入れるもの(高卒の資格 or 時間)が違うだけです。どちらを差し出せるかは、その人が何をやりたいかで決まります。決まっていないなら、決めるところから始めれば大丈夫です。

「定時制と高卒認定で迷っている」——その一文で構いません。LINEの無料相談に、学年・現在の在籍状況・いま気になっていることの3点を書いて送ってください。提供内容はサービス紹介、費用や進め方はよくある質問、個別のご相談はお問い合わせからどうぞ。

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