「高校生のうちに、自分で何かを始めてみたい」「学校で過ごす時間と、自分のやりたいことの時間のバランスがどうしても合わない」——そんな違和感を感じている中学生・高校生に届けたい記事です。Core Learning Community(CLC)でCareer Mentorをしている小柳博之です。私自身、民泊事業の立ち上げや小さな会社の経営をしながら、10代・20代の起業相談に乗ってきました。今日お話ししたいのは、派手な「学生起業家」ではなく、10代から無理なく始められる小さなビジネスの3ステップと、それを支える「時間の作り方」の現実的なロードマップです。
なぜ「10代から起業」が現実的な選択肢になったのか
かつて起業といえば、大学卒業後・社会人経験を積んだ後に始めるものというイメージが強くありました。しかしここ数年、状況は大きく変わっています。スマートフォン1台でショップが開け、動画・SNSで集客でき、生成AIに事業計画の壁打ちまでしてもらえる時代です。10代であることが「不利」ではなく、むしろ機動力・発想・SNSとの距離感において「有利」に働く局面が増えてきました。
もう一つの変化は、進路の多様化です。「学校に通いながらアルバイト」だけが10代の働き方ではなくなり、高卒認定を取得して時間を確保し、自分の事業を回しながら大学進学を目指す若者が増えています。「人脈は『量』より『質』——若者が今すぐ始めるべきビジネスネットワーキング」でも触れたとおり、10代から大人のコミュニティに混ざることで、年齢を超えた信頼関係を築くチャンスは確実に増えています。
もちろん、「10代だから簡単」という話ではありません。失敗もしますし、想定どおりに進まないことも普通にあります。ただ、失敗してもダメージが小さいうちにチャレンジできるのが10代という時期の最大の特権です。住宅ローンも家族も背負っていない時期に、小さな事業を回す経験をしておくことは、将来どんな進路を選ぶにしても大きな資産になります。
高校生が踏むべき起業の3ステップ——観察・100円実験・月3万円事業
「起業」という言葉が大きく聞こえるかもしれませんが、私が10代の方にいつも勧めているのは、極めて地味な3ステップです。
ステップ1:観察(最初の1〜2ヶ月)。まずは「自分が普段お金や時間を払っているサービスは、なぜ存在しているか」を観察するところから始めます。コンビニのドリンク棚、推し活グッズのECサイト、ゲーム実況、塾、移動販売、習い事——身の回りの全てが「誰かのビジネス」です。1日1つ、気になったサービスをメモする習慣をつけるだけで、世界の見え方が変わります。これは資金もリスクもゼロでできる、最高のトレーニングです。
ステップ2:100円実験(次の2〜3ヶ月)。次に、自分が考えた「小さなサービス」を、誰かに100円〜数千円で買ってもらう実験をします。例えば「友達のレポート構成を整える1回500円のコンサル」「自作のデジタル素材をBOOTHで200円販売」「動画編集を3000円で受託」など、最初は本当に小さくて構いません。重要なのは利益額ではなく、「自分の手で、他人にお金を払ってもらえる体験」を1回でも作ることです。この一歩のハードルが、実は一番高い。
ステップ3:月3万円事業(半年〜1年)。100円実験が回るようになったら、次は「月3万円を継続的に稼ぐ事業」を目指します。なぜ月3万円かというと、これは生活費を一部負担できる金額であり、かつ「再現性のある仕組み」を作らないと達成できないラインだからです。リピーター・SNS発信・価格設定・税金の知識——すべての要素が一通り必要になります。月3万円を3ヶ月続けられたら、あなたは立派に「事業者」です。ここまでくれば、進路の選択肢は一気に広がります。
高卒認定で「時間という資本」を作る——学校に通うのとは違うリズム
10代で起業をやろうとすると、必ずぶつかる壁があります。それは「時間が足りない」という現実です。全日制高校に通いながら、放課後に部活、夜に塾、土日は家族の用事——という生活では、事業を伸ばす時間がほとんど残りません。
そこで現実的な選択肢として浮上するのが、高卒認定試験です。文部科学省が年2回実施する国家試験で、高校卒業と同等の学力を証明できます。早ければ16歳のうちに合格でき、合格後は大学受験資格も得られます。「通信制高校と高卒認定どちらを選ぶ?大学進学への違いを徹底比較」でも整理したとおり、高卒認定の最大のメリットは「通学やレポート提出の義務がない=時間の自由度が圧倒的に高い」点にあります。
1日24時間という資源は誰にとっても平等ですが、そのうちの何時間を自分の意思で使えるかは、進路の選び方で大きく変わります。高卒認定ルートを選ぶと、平日昼間に商談、夕方に作業、夜は学習、というビジネスパーソンに近いリズムを10代から作れます。これは通信制高校でも実現できる側面はありますが、レポート・スクーリング・進級要件がない分、高卒認定はより「攻めた時間設計」が可能です。
もちろん、時間が空けば自動的に事業が伸びるわけではありません。むしろ自由な時間ほど、自分を律する力が問われます。だからこそ、メンターや仲間と組んで、強制力のある環境をどう作るかがカギになります。
家族・周囲と合意形成するための3つの会話
10代で起業や高卒認定を選ぼうとすると、必ず保護者や周囲との意見の食い違いが出てきます。私の経験では、ここでつまずく10代が一番多い。具体的にお勧めしている会話の型は次の3つです。
① 「なぜそれをやりたいのか」を、結論ではなく背景から話す。「高校行きたくない、起業したい」と結論だけ伝えると、保護者は驚いて反対します。「学校でこういう違和感があった」「将来こういう人生を送りたい」「だから、起業という手段を試してみたい」——という順番で背景から話すと、対話の土台が変わります。
② 「最悪のシナリオ」を先に共有する。「失敗したらどうするのか」を、聞かれる前に自分から話します。例えば「半年やって月3万円に届かなければ、通信制への編入や高卒認定だけに切り替える」「赤字は◯万円までで止める」など、撤退ラインを言語化しておくと、保護者の不安は驚くほど和らぎます。これは、起業家として大人と契約するときも全く同じ作法です。
③ 第三者を会話に入れる。家族だけで話し続けると、感情的になってしまうのが普通です。メンター・行政書士・進路カウンセラーなど、利害関係のない第三者を1人入れるだけで、議論が一気に建設的になります。「不登校の中3、高校進学を悩む親へ。焦らず選ぶ4つの道」でも、第三者を介する効果について触れていますので、保護者の方も併せてご覧ください。
一人で抱え込まないために——CLCの伴走スタイル
10代で起業を志すというのは、本当に勇気のいる選択です。同年代に話しても理解されないことが多いですし、大人に話すと「もっと勉強してから」と止められがちです。だからこそ、「同じ景色を見ている大人と仲間」と出会えるかどうかが、その後の伸びを決めます。
CLCでは、起業コースを中心に、現役の起業家・ビジネスパーソンが10代の事業立ち上げに伴走します。「100円実験」のアイデア出しから「月3万円事業」の仕組み化、税務や契約の基礎まで、現場で必要なことを実務ベースで一緒に組み立てていきます。並行して進学コースで大学受験準備を進めることも可能で、「起業しながら大学進学」というハイブリッドルートも現実的に組めます。サービス全体像はサービス概要ページからご覧ください。
10代で起業の第一歩を踏み出すことは、決して「学校を否定する選択」ではありません。自分の時間を、自分の意思で投資先に振り分けるという、ごく当たり前の大人の作法を、早めに身につける選択です。気になる方は、まずはLINEで現状を教えてください。あなたに合った「最初の100円実験」を、一緒に設計していきましょう。