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小柳 博之(Hiroyuki Koyanagi)
Career Mentor|起業・事業立ち上げ

「学校に行けない時間」は、本当に空白なのか

「学校に行けていないこの時間は、将来にとってただの空白なんじゃないか」——不登校の当事者や保護者の方から、私はこの不安を何度も聞いてきました。CLCで事業の立ち上げを支える立場として、まずお伝えしたいのは「学校に行かない時間」と「何も生まれない時間」はまったく別物だということです。

教室にいることだけが学びではありません。むしろ、決まった時間割から離れたからこそ自分の興味を深く掘り下げられるという側面があります。ゲームが好きなら、遊ぶ側から作る側へ。絵が好きなら、描くだけでなく売ってみる。動画が好きなら、観るだけでなく編集や運用を覚える。こうした一歩は、学校の外にいる時間だからこそ踏み出しやすいのです。

文部科学省の調査でも、不登校の子どもたちは年々増えています。それは「学校という一つの形が、すべての子に合うわけではない」という現実の裏返しでもあります。学校以外の選択肢を探すことは、逃げではなく、自分に合う環境を選び直す前向きな行動です。この記事では、その選択肢の一つとして「不登校の時間を、起業やものづくりの準備期間に変える」という道を、具体的に整理していきます。

なぜ不登校と起業は相性がいいのか

意外に思われるかもしれませんが、不登校という状況と、事業を始めることには相性のいい部分があります。ここでは架空の成功譚を並べるのではなく、私が現場で感じている構造的な理由を挙げます。

①まとまった時間を自分の裁量で使える

全日制高校に通う同級生が授業と部活で1日の大半を使っているあいだ、あなたには自分で設計できる時間があります。事業づくりで最も貴重なのは、実はお金でも才能でもなく「試行錯誤に投じられる時間」です。通信制高校でも一定の自由は得られますが、時間の裁量という点では、学校の枠から離れている時期ならではの強みがあります。

②「好き」から出発できる

10代の起業に大きな元手は要りません。必要なのは「これをもっと知りたい・作りたい」という熱量です。学校の評価軸から離れた場所で見つけた「好き」は、外から与えられた目標より深く、続きやすい。自分の熱狂を進路につなげる考え方は熱狂できる進路の見つけ方|好きを仕事にする高校生へでも詳しく触れています。

③失敗のコストが小さい年齢

10代は、扶養してくれる家庭という土台があるぶん、挑戦して失敗しても致命傷になりにくい時期です。小さく始めて、うまくいかなければやり方を変える。この「小さく試す」経験こそ、その後どんな進路に進んでも効いてくる財産になります。もちろん金銭や契約が絡む場面では保護者や大人の確認が必要なケースもあるので、そこは慎重に進めましょう。

10代が事業を始める、現実的な最初の一歩

「起業」という言葉に身構える必要はありません。会社を作ることだけが起業ではなく、自分の力で小さな価値を生み、それを誰かに届けてみることがすべての出発点です。いきなり大きく考えず、次のような順番で始めてみてください。

第一歩は、「好き」を棚卸しして小さく形にすること。絵・文章・プログラミング・動画・ハンドメイド——何でも構いません。まずは一つ、人に見せられる形のものを作ってみる。完成度より「最後まで作り切った」という事実が大切です。

第二歩は、それを実際に世に出してみること。SNSで発信する、フリマアプリやスキル販売のサービスに出品する、知り合いに使ってもらう。「誰か一人でも反応してくれた」という手応えは、教室のテストでは得られない自信になります。ここで初めて「自分の作ったものにニーズがあるかどうか」がわかります。

第三歩は、反応を見て改善を回すこと。反応が薄ければ、対象を変える・見せ方を変える・別のものを作る。この「作る→出す→直す」のサイクルを回した回数が、そのまま経験値になります。10代のうちにこのループを体感した人は、進路選択でも「まず動いてみる」姿勢が身についていきます。高校生が事業を始める具体的な手順はCLC起業コースでも実践として支えています。

高卒認定と両立させて、進路の選択肢を残す

事業に打ち込むと決めても、進路の選択肢は残しておくことを強くおすすめします。その現実的な手段が高卒認定(高等学校卒業程度認定試験)です。事業をやりながらでも、高卒認定を取っておけば大学受験資格が手に入り、将来「やっぱり進学したい」と思ったときに道が閉じません。

高卒認定は科目合格制で、合格した科目は次回以降も有効です。だから事業の合間に、少しずつ積み上げていくという進め方ができます。学校のように毎日決まった時間を拘束されないぶん、自分のペースで学習を組み込めるのが利点です。制度の難易度や独学の進め方は高卒認定は難しい?合格率と独学の勉強法にまとめています。

実際、10代で事業に取り組みながら高卒認定を経て進路を定めていく人はいます。高卒認定から起業へと進んだ人たちの歩みは高卒認定から起業した10代のストーリーで紹介しています。事業と学びは二者択一ではなく、両輪で回すほど互いを強くする——これが私の実感です。

また、不登校からでも大学進学は十分に可能です。「起業も気になるけれど、進学の道も気になる」という人は不登校からの大学進学ルートもあわせて読んでみてください。大切なのは、いま一つに絞り込むことではなく、動きながら選び直せる状態を保つことです。

一人で抱えないために——伴走者という選択

ここまで前向きな話をしてきましたが、正直にお伝えすると、10代が一人で事業と学びの両方を設計し続けるのは簡単ではありません。何から始めるか、どこでつまずいたか、次にどう動くか——これを全部自分で判断するのは、経験の少ない年齢では負担が大きい。これは能力の問題ではなく、単純に「相談相手がいるかどうか」の問題です。

CLC(Core Learning Community)が「学校に行かない選択」を否定しないのは、その選択が悪いのではなく、選んだあとの時間を一緒に設計する相手がいないことこそが問題だと考えているからです。だからこそ、現役の起業家やビジネスパーソンが伴走し、一人ひとりの興味から出発して、学習も事業もオーダーメイドで組み立てます。支援の全体像はサービス紹介にまとめています。

不登校は、進路が閉じる合図ではありません。むしろ、自分に合う道を選び直すための時間です。その時間を、ものづくりや事業づくりという形で未来に投資できれば、学校の外で過ごした日々は、あなたにしかない強みに変わります。

「自分の"好き"を、どう形にすればいいかわからない」——そう思ったら、一度話してみてください。LINEの無料相談では、まだ何も決まっていない段階の相談も歓迎しています。お問い合わせフォームよくある質問もあわせてどうぞ。動き出した分だけ、選べる道は広がります。

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