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岩田 瞬(Shun Iwata)
Academic Mentor|文系科目・学習計画

「やる気が出ない」は、怠けているサインではない

「夏なのに、受験勉強に手がつきません」——学習計画を組む立場でCLCの面談に入っていると、中3のこの時期にいちばん多く聞く言葉です。机には問題集が開いてある。時間もある。でも動けない。そして「自分は怠けているんだ」と自分を責めている。

私の指導経験では、この状態の原因が「サボりたい気持ち」だったことはほとんどありません。むしろ多いのは、目的が言葉にできていないケースです。「なんとなく行けそうな高校」を目標に置いていて、そこに行きたい理由が自分の中にない。目的のない努力は、人間の構造上、続きません。

もう一つよくあるのが、努力の量ではなく順番の問題です。中1・中2の内容に穴が空いたまま中3の応用に取りかかると、解けない問題が続きます。「やってもできない」が数週間続けば、やる気は落ちます。これは意志の弱さではなく、計画の設計ミスです。

だから最初にやることは、気合いを入れ直すことではありません。何が原因で止まっているのかを切り分けることです。原因が違えば、対処もまったく変わります。

まず切り分ける——学力・体調・進路、どこで詰まっているのか

面談では、次の3つのどれで詰まっているのかを一緒に確認します。紙に書き出すだけでも、かなり見通しがよくなります。

① 学力でつまずいている場合

教科書の例題は解けるのに、模試や過去問になると手が止まる。この場合はほぼ確実に、前の学年の土台に穴があります。中3の夏は、応用に進むより数学と英語をどこまで戻せるかで決まります。戻ることは後退ではなく、最短距離です。学習の空白を埋める考え方は不登校で勉強が遅れても大丈夫|取り戻し方と進路にも書いています。

② 体調でつまずいている場合

朝どうしても起きられない、午前中は頭が動かない、立ち上がると目の前が暗くなる。こうした症状があるときは、根性の問題として扱わないでください。起立性調節障害など、体の側に要因があるケースもあります。判断は医療機関に委ねるべき領域ですが、進路設計としては起立性調節障害で学校に行けない君へが参考になります。

③ 進路そのものに納得していない場合

「勉強はできる。でも高校に行く意味がわからない」。このタイプは意外に多く、そして勉強法をいくら変えても解決しません。ここで必要なのは学習計画ではなく、進路の選択肢を並べ直す作業です。次の章がそれにあたります。

高校受験は唯一の道ではない——中3が選べる4つのルート

「中学を卒業したら高校に行く」は圧倒的な多数派ですが、制度上の義務ではありません。義務教育は中学までです。実際に選べる道は、大きく4つあります。

ルート1:全日制高校に進む

毎日通学し、授業・部活・行事のある環境で3年間を過ごす。友人関係や学校行事に価値を感じる人には、いちばん自然な選択です。ただし時間の自由はほとんど残りません。

ルート2:通信制高校に進む

登校日数を抑えながら高校卒業資格を取る道です。全日制がつらい人の受け皿として広く選ばれています。一方で、レポート提出やスクーリングは必ず発生するため、「完全に自由な時間」が手に入るわけではありません。3つの違いは全日制・通信制・高卒認定の違い|3つの進路を徹底比較で整理しています。

ルート3:高校に進学せず、高卒認定を目指す

高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)は文部科学省が実施する国の試験で、16歳になる年度から受験できます。合格すれば大学受験資格が得られます(実際に出願できるのは18歳に達した日以降)。高校に通う3年間を使わずに大学進学の資格を確保できるため、残った時間を丸ごと自分のやりたいことに投じられるのが最大の特徴です。中卒からのルートは中卒で大学進学する3つのルート|高卒認定からの道にまとめました。

ルート4:働く・学ぶ・つくるを組み合わせる

高卒認定で資格を確保しながら、事業づくりや専門スキルの習得に時間を使う人もいます。CLCの起業コースでは、現役の経営者やビジネスパーソンが10代の最初の一歩に伴走しています。中3の段階でここまで具体的に決める必要はありませんが、選択肢として存在することを知っておくだけで、受験の見え方は変わります。

さらに詳しい比較は中3で「高校に行きたくない」君へ|進路5つの選択肢高校に進学しない選択はアリ?中卒からの進路ガイドもあわせて読んでください。

それでも受験するなら——夏から立て直す学習計画のつくり方

選択肢を並べたうえで「やっぱり高校に行きたい」と決まったなら、そこからは計画の話です。夏からの立て直しは、順番を守れば十分間に合います。

第一に、志望校より先に「行きたい理由」を一行で書く。偏差値でも通学距離でもなく、そこで何をしたいのか。一行で書けないなら、まだ目標が自分のものになっていません。ここが埋まるだけで、机に向かう時間は自然に増えます。

第二に、数学と英語だけに絞って戻る。この2教科は積み上げ型で、穴があると後の単元がすべて崩れます。逆に理科・社会は短期間でも点が動きます。夏に全教科を均等にやるのは、いちばん成果が出ない配分です。

第三に、1日の枠を先に決めて、中身を後から入れる。「今日は3時間やる」ではなく「9時から11時は数学」と場所を決める。私が計画を組むときは、必ず時間帯を固定してから教科を割り当てます。やる気に依存しない仕組みにするのが目的です。

第四に、週に一度だけ振り返る。日曜の夜に15分、解けなかった問題を3つ書き出す。これだけで翌週の優先順位が決まります。計画は立てた時点では仮説にすぎず、修正しながら使うものです。個別の組み立ては進学コースでも相談を受けています。

選び直すことは、逃げることではない

「今から進路を変えたら、逃げたことになるんじゃないか」。この不安を口にする中学生は少なくありません。周りが受験モードに入っている時期だからこそ、抜けることが怖い。その感覚は自然なものです。

ただ、私が伝えたいのは、納得していない道を全力で走ることは誰の得にもならないということです。高校に入ってから「やっぱり違った」と気づいて中退するケースは実際にあります。中3の今、選択肢を並べて考え直すのは、逃げではなく前倒しの意思決定です。

もう一つ。どの道を選んでも、学力の準備は捨てないでください。高卒認定を選ぶ場合も、その先に大学進学や海外の選択肢を残すなら、勉強は続けたほうがいい。学力は、将来の選択肢の数そのものです。

保護者の方と意見が合わないこともあると思います。その場合は、この記事を一緒に読んでもらうのが早いかもしれません。親の側の視点は不登校の中3、高校進学を悩む親へ。焦らず選ぶ4つの道にまとめています。

CLCが大切にしているのは、学校に行かないという選択そのものを否定しないことです。そのうえで、一人ひとりの状況に合わせたオーダーメイドの進路設計を、学習メンターと現役の起業家・ビジネスパーソンが伴走します。考え方の背景は私たちのミッションをご覧ください。

「やる気が出ないまま夏が終わりそう」——そう感じているなら、原因の切り分けだけでも一緒にやりましょう。LINEの無料相談から気軽にどうぞ。お問い合わせフォームよくある質問もあります。

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