「高卒認定を取れば大学を受けられる」とは聞いたけれど、推薦入試は使えるのか、総合型選抜には出願できるのか。ここまで具体的に調べ始めると、急に情報が見つかりにくくなります。入試の説明の多くが、高校に在籍している受験生を前提に書かれているからです。
Core Learning Community で Academic Mentor を務める楊品昭です。難関大を目指す生徒の学習戦略を設計してきた立場から言うと、高卒認定からの大学受験で最初に確認すべきなのは、参考書でも志望校の偏差値でもなく「その入試に自分が出願できるか」です。この記事では、本人と保護者の方に向けて、大学入試の3方式を高卒認定の視点で比較します。
結論:一般選抜が軸、総合型選抜は大学ごとに確認
大学入試は、大きく一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜の3つに分かれます。高卒認定から見た使いやすさを先に整理すると、次のようになります。
- 一般選抜:高卒認定で受けられる大学が大半。受験の軸になる方式
- 総合型選抜:出願できるかは大学・学部ごとに異なる。条件が合えば有力な選択肢
- 学校推薦型選抜:高校長の推薦が前提になるため、基本的には使いにくい
高卒認定は、文部科学省が実施する「高校を卒業した人と同等以上の学力があるか」を認定する試験で、合格すると大学受験資格を得られます。ただし、受験資格があることと、すべての入試方式に出願できることは別の話です。ここを混同すると、出願の直前になって「この方式は対象外だった」と気づくことになります。
なお、高卒認定そのものが受験で不利に働くのかについては、高卒認定で大学受験は不利かを検証した記事で詳しく扱っています。
一般選抜:最も広く開かれたルート
一般選抜は、主に学力試験で合否を決める方式です。高卒認定の合格者は、高校の卒業生と同じように出願でき、大学入学共通テストも受験できます。難関大を含め、もっとも広く開かれたルートと言えます。
出願時の違いは、提出書類です。高校生が調査書を出すところを、高卒認定の場合は合格成績証明書などを提出するのが一般的です。一部科目が未合格で、残りの科目を別の方法で満たす予定の人は、合格見込成績証明書を使うケースもあります。証明書の発行には日数がかかるため、出願が集中する時期より早めに請求しておくと安心です。
一般選抜の強みは、内申点や出席日数をほとんど気にせず、当日の得点で勝負できることです。不登校の期間があった人にとっては、過去の記録より「これからの学力」で評価してもらえる方式でもあります。
一方で、高校の授業という伴走がない分、学習計画は自分で組み立てる必要があります。高卒認定で学ぶ範囲と大学入試で問われる水準には差があるため、認定試験の勉強の延長だけでは足りません。具体的な進め方は高卒認定から大学受験に合格する勉強法を参考にしてください。
総合型選抜:活動実績を点数以外で評価してもらう
総合型選抜(旧AO入試)は、志望理由書・活動実績・小論文・面接などを通じて、学力だけでなく「この大学で何を学びたいか」を評価する方式です。学校の外で探究や起業に取り組んできた人にとっては、その時間そのものが出願の材料になります。
注意したいのは、出願資格です。「高等学校を卒業した者、または卒業見込みの者」に加えて高卒認定合格者を認める大学もあれば、卒業見込みの現役生に絞る大学もあります。評定平均の基準を設けている場合は、高卒認定の受験生がどう扱われるかも確認が必要です。同じ大学でも学部によって条件が違うことがあるので、必ず最新の募集要項を見てください。迷ったら大学の入試課へ直接問い合わせるのが確実です。
時期にも注意が必要です。総合型選抜の出願は例年9月以降に始まるため、活動実績づくりは出願の1年以上前から動き出すのが理想です。実績の積み方は高卒認定から総合型選抜で大学へ進む方法で解説しています。
学校推薦型選抜:高卒認定では使いにくい理由
学校推薦型選抜には、大学が指定した高校の生徒を対象にする指定校制と、条件を満たせば応募できる公募制があります。どちらも原則として出身高校の校長の推薦が必要で、対象は「卒業見込みの生徒」とされていることがほとんどです。
そのため、高校に在籍していない高卒認定の受験生には、指定校推薦は基本的に使えません。公募制についても、多くの場合は同じ理由で出願が難しくなります。自己推薦の形をとる入試など、例外的に出願できるケースもありますが、名称に「推薦」とあっても実態は大学ごとに異なるため、やはり募集要項の確認が欠かせません。
裏を返せば、高校に在籍している人が「推薦で進学したい」と考えているなら、高校を辞めるかどうかの判断に関わる問題だということです。退学や転学を考え始めた段階で、志望校の入試方式まで調べておくことをおすすめします。
入試方式を選ぶ3つの判断軸と逆算の始め方
3方式の違いがわかったら、次の3つの軸で自分の受験プランを組み立てます。
- 出願資格:志望校ごとに、高卒認定で出願できる方式を一覧にする
- 強み:学力で勝負するのか、活動実績や志望理由で勝負するのか、今の自分の材料を見極める
- 残り時間:受験年度までの期間から、学習と活動の配分を決める
私がおすすめしているのは、一般選抜を軸に学力を積み上げながら、出願できる大学があれば総合型選抜も併用する形です。総合型選抜の準備で深めた志望理由は、一般選抜の勉強を続ける動機にもなります。難関大を目指す場合の全体設計は難関大合格のための学習戦略にまとめています。
年齢の条件も確認しておきましょう。高卒認定は16歳から受験できますが、18歳未満で合格した場合、合格者となるのは18歳に達した日の翌日からです。若いうちに合格して大学入学までの時間ができるなら、その時間を受験勉強と活動実績の両方に使えます。
Core Learning Community は、学校に行かない選択を肯定し、高卒認定の取得から大学進学・起業までを伴走しています。通信制高校では得にくい自由な時間を活かしながら、現役の起業家・ビジネスパーソンやアカデミックメンターと、学習と活動実績の両面で準備を進められるのが特徴です。大学進学を軸に考えている人は進学コースもご覧ください。
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