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永野 太一(Taichi Nagano)
Academic Mentor|大学受験・学習サポート

夏休みが終わりに近づくと、足が止まる

私はCore Learning Communityで大学受験と学習サポートを担当しているメンターです。ふだんは志望校や学習計画の相談が仕事ですが、8月のこの時期だけは届く相談の毛色が変わります。「休みが終わるのが怖い」「9月から学校に行ける気がしない」——そういう内容です。

まず伝えておきたいのは、これが珍しい相談ではないということ。長期休みが明けるタイミングで学校に戻れなくなる中学生・高校生は毎年一定数いて、文部科学省の調査でも不登校の児童生徒数は近年増加傾向が続いていると報告されています。

順番としてはむしろ自然です。夏休みは、学校という環境から距離を置ける一年で唯一の期間。距離を置いてはじめて「戻りたくない」という本音に気づく。だから夏休み明けに足が止まるのであって、君が急に弱くなったわけではありません。

私の指導経験でいちばんまずいのは、8月31日まで考えないようにして過ごし、9月1日の朝に体が動かず、そこから慌てて進路を考え始めることです。時間が残っているうちに整理しておけば、選べる選択肢の数がまるで変わります。

「行きたくない」の正体を3つに切り分ける

「学校に行きたくない」は結論ではなく症状です。原因が違えば打ち手も変わるので、まず切り分けます。

① 体が動かない

朝どうしても起きられない、立ち上がるとふらつく、頭痛や腹痛が続く。気持ちの問題ではない可能性があります。思春期には、朝の体調に影響する起立性調節障害のような状態が知られています。根性で解決しようとせず、まず医療機関に相談してください。体の問題を抱えたまま進路だけ考えても、判断がうまく働きません。詳しくは朝がつらい高校生の進路の考え方で扱っています。

② 人間関係がしんどい

教室に居場所がない、特定の相手が怖い、部活が苦しい。これは「その場所から離れれば状況が変わる」タイプの問題です。環境を変えることが逃げになるという考え方は、少なくとも進路設計の実務では成立しません。「学校をやめたら友達がいなくなるのでは」という不安は学校をやめたら友達はどうなる?で別に整理しています。

③ 通う意味がわからない

体調も人間関係も大きな問題はない。ただ、毎日6時間座って受ける授業が、自分の進みたい方向とどうつながるのかがわからない。これは周囲から「甘え」と処理されやすいのですが、私は真面目な問いだと思っています。進路を自分の頭で考え始めた人にしか出てこない問いです(高校に通う意味がわからないと感じたとき)。

紙に書き出して、自分がどれに当てはまるか見てください。混ざっている場合は①→②→③の順が原則です。体調と安全が先、意味の問いはそのあと。

進路の選択肢は、4つある

「学校に行かない=人生が終わる」ではありません。9月からの現実的な選択肢は大きく4つです。

1つめは、いまの全日制に在籍したまま、通い方を変えること。保健室登校や別室登校、登校時間を短くする運用が可能な学校もあります。担任より先に養護教諭やスクールカウンセラーに話すほうが早いケースもある。単位や出席日数の条件は学校ごとに違うので、必ず自分の学校の規定を確認してください。いったん休学して立て直す道は高校を休学するという選択にまとめています。

2つめは、別の全日制・定時制に転校すること。問題が特定の環境に紐づいている場合に有効です。ただし転入時期や単位の引き継ぎに制約があるため、動くなら早めの確認が要ります。

3つめは、通信制高校に移ること。登校日数が少なく、自分のペースで単位を取れます。ただしレポート提出とスクーリングの自己管理が前提で、そこが合わずに二度目のつまずきを経験する人もいます(通信制高校が合わなかった子の4つの選択肢)。

4つめが、高卒認定を取って学校の外に出ること。高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)に合格すると、高校を卒業していなくても大学・短大・専門学校の受験資格が得られます。年2回、例年8月と11月に実施され、科目合格制なので一度で全科目そろえる必要もありません。16歳・17歳から始めても十分に間に合います。

4つを横並びで比べたい人は全日制・通信制・高卒認定の比較が早いはずです。大事なのは、いま在籍している場所に残ることだけが「前に進む」ではないという点です。

学習の空白は、あとから取り戻せる

学校を離れる判断でいちばん多い不安が、「勉強が遅れて大学に行けなくなるのでは」というものです。受験指導を担当している立場から、はっきり答えます。学習の空白は取り戻せます。

大学入試で問われるのは学校に座っていた時間ではなく、身につけた内容だからです。全日制の授業は40人が同じ速度で進む前提で設計されていて、すでにわかっている単元にも同じ時間が割かれ、つまずいた単元だけ戻ることは基本的にできません。個別に組み直せば、必要な単元にだけ時間を寄せられます。

実際、高卒認定に必要な科目に合格したあとは、時間の使い方がまるごと自由になります。ここが通信制高校では実現しにくい時間の自由です。午前に苦手科目を集中的に潰し、午後は志望分野の学習や活動に回す、といった設計が現実に組めます。

ただし自動的にうまくいくものではありません。進む人と止まる人の差は、才能ではなく週単位の計画と、進捗を確認してくれる相手がいるかどうかで決まります。一人で全部を管理しようとして止まるのが、いちばんよくあるパターンです。だからCLCでは学習面をメンターが週ごとに組み直します。進め方は進学コースにまとめてあります。総合型選抜を視野に入れるなら、学校の外で取り組んだ探究や活動がそのまま評価材料になるので、この道はむしろ相性がいい。

勉強以外にやってみたいことがある人には、起業コースで現役の起業家・ビジネスパーソンが伴走する形もあります。

9月1日を「期限」にしない

9月1日は、締切ではありません。その日に学校へ行けたかどうかで、これからの数年が決まるわけではない。高卒認定は年2回あり、通信制の転入も時期によって受け入れがあり、大学受験に年齢制限はありません。行けなかった日を数えるより、そのあと何をするかのほうが進路の結果に効きます。

私たちCore Learning Communityは、学校に行かないという選択を否定しません。高卒認定で受験資格を先に確保し、空いた時間を本人がやりたいことに使う——という設計を、一人ひとりオーダーメイドで組み立てています。進学と起業それぞれの流れはサービス紹介にまとめてあります。

いま何をどう決めればいいかわからない、という状態のままで構いません。むしろ、決まっていない段階のほうが話す価値があります。LINEの無料相談から、いまの学年と、①〜③のどれに近いかだけ書いて送ってください。そこから一緒に整理します。お問い合わせよくある質問もご利用いただけます。保護者の方だけのご相談も歓迎です。

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