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狩野 善友(Zensuke Karino)
Founder|高卒認定・起業・自己表現

「17歳で海外の大学へ」は空想ではない

私はCore Learning Communityの代表として、年間を通じて中学生・高校生とその保護者の進路相談に立ち会っています。その中で必ず一定数出てくるのが、「日本の高校に3年間通う意味が、自分にはよくわからない。それより海外に出たい」という声です。

この相談を大人にすると、たいていは「まず高校を出てから」で終わります。でも、進路設計の実務として分解していくと、この道は決して空想ではありません。鍵になるのが高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)です。

高卒認定は文部科学省が実施する国の試験で、例年8月と11月の年2回。受験できるのは受験する年度末までに満16歳以上になる人で、科目合格制——一度で全科目そろえる必要がなく、8月に取りこぼした科目を11月に取り直せます。試験そのものの難易度感は高卒認定は難しい?合格率と独学の勉強法で扱っています。

つまり制度上は、16歳の一年で高卒認定を取り切り、17歳の一年をまるごと次の準備に使うという設計が成立します。全日制に通っていれば高2にあたる一年です。この一年をどう使うかで、進路の景色はかなり変わります。

先に正直な話——高卒認定でできないこと3つ

ただし、期待だけで進むと確実につまずきます。だから、できないことを先に書きます。ここを読まずに動き出した人が、あとで一番苦しみます。

① 合格しても、大学入学資格が生じるのは満18歳から

高卒認定に16歳で全科目合格しても、その時点で日本の大学に入学できるわけではありません。大学入学資格が発生するのは満18歳に達した日からです。「合格」と「入学資格」は別物だと理解しておいてください。年齢と制度の関係は高卒認定は16歳から受けられる|17歳の進路設計に詳しくまとめています。

② 海外の大学が自動的に「高校卒業相当」と認めるわけではない

高卒認定はあくまで日本国内の制度です。海外大学の出願要件は国ごと・大学ごとに独自に定められていて、日本の高卒認定をhigh school equivalencyとして受け付ける学校もあれば、12年間の学校教育の修了証明を求める学校もあります。ここは希望的観測で進めてはいけない部分です。志望校のadmission requirementsを英語の原文で確認し、判断が付かなければ入学担当部署に直接問い合わせてください。

③ 年齢・ビザ・保護者同意という実務の壁

多くの国で、学生ビザの申請には年齢や後見人に関する要件があります。17歳は未成年扱いとなり、保護者の同意書や現地でのガーディアン設定を求められるケースもあります。運用は国と時期で変わるため、志望国の大使館・領事館の情報を必ず一次情報で確認してください。

この3つを踏まえてもなお、私はこのルートに価値があると考えています。理由は次章です。

16歳のうちに高卒認定を取り切るスケジュール

高卒認定の合格に必要なのは、選択の仕方によっておおむね8〜10科目です。各科目の合格ラインは満点ではなく、公表されている情報では4割前後が目安とされています。満点を狙う試験ではなく、確実に線を越える試験だという理解が出発点になります。

現実的な組み方は、こうです。まず4月から7月にかけて、得意科目と暗記で押し切れる科目を優先的に仕上げ、8月試験でできるだけ多く確保する。そのうえで9月から11月にかけて、残った科目だけに集中する。これで16歳のうちに取り切る形が見えてきます。取りこぼしが出た場合の立て直しは高卒認定に落ちた科目がある君へを参照してください。

ここで最も重要なのは、英語を高卒認定の英語で終わらせないことです。高卒認定の英語と、海外大学が求めるIELTSやTOEFLは、まったく別の試験です。求められるのはアカデミックな読解量とライティング、そしてスピーキング。高卒認定対策と英語資格対策は16歳の段階から並走させるべきで、これを17歳になってから始めると、確実に一年足りません。

不登校や中退で学習の空白がある場合は、中学範囲まで戻って積み上げます。遠回りに見えますが、土台のないまま演習に入るほうが結果的に時間を失います。

17歳から海外へ出る4つのルート

高卒認定を確保したあと、実際に取り得る選択肢を整理します。どれが正解ということはなく、志望分野・英語力・予算で変わります。

1つめは、海外大学へ直接出願する。高卒認定を出願資格として認めている大学に、英語スコアと書類を揃えて出す形です。最短ですが、認めている大学が限られる点と、英語スコアの要求水準が高い点がハードルになります。

2つめは、ファウンデーションコース/パスウェイプログラムを経由する。イギリスやオーストラリアなどで整備されている、大学進学前の準備課程です。学力と英語を現地で整えてから学部に進む形で、日本の高校を卒業していない場合の受け皿になっているケースがあります。

3つめは、アメリカのコミュニティカレッジから4年制大学へ編入する。入学要件が比較的緩やかで、費用も抑えられます。編入前提で単位を積む設計ができるかどうかが分かれ目です。

4つめは、18歳まで待って日本の大学に入り、そこから交換留学や海外大学院を狙う。これは「妥協」ではありません。高卒認定を取ったあとの時間で探究や活動の実績を積めば、総合型選抜との相性はむしろ良くなります。学校外での取り組みがそのまま評価材料になるからです。この設計は進学コースで扱っています。

早く外に出る人に、本当に必要なもの

ここまで制度の話をしてきましたが、実際に見てきて思うのは、この道で伸びる人と止まる人の差は、頭の良さではないということです。差がつくのは、誰にも管理されない時間を自分で設計できるかどうか。ここに尽きます。

高卒認定を取った瞬間、時間割がなくなります。これは通信制高校でも実現しにくい種類の時間の自由で、レポートやスクーリングの締切に縛られない代わりに、締切を自分で作る必要が生まれます。一人でこれをやり切れる17歳は多くありません。空いた時間の使い方については高卒認定を取った後どうする?にも書きました。

だからCLCでは、学習面はメンターが週ごとに計画を組み直し、進路や活動の面では現役の起業家・ビジネスパーソンが伴走します。海外を見ているなら英語資格と実績づくり、事業をやりたいなら小さく始めて回すところまで——起業コースではそこを一緒に設計します。私たちCore Learning Communityは、学校に行かないという選択そのものを否定しません。一人ひとり違う設計図を、オーダーメイドで引きます。

最後に、これから動く人へ。「海外に行きたい」の段階で相談してもらって構いません。むしろ、志望校も英語力もまだ決まっていない段階のほうが、打てる手は多い。LINEの無料相談から、いまの学年と、興味のある国や分野だけ書いて送ってください。そこから一緒に逆算します。全体の流れはサービス紹介、制度面の疑問はよくある質問お問い合わせからどうぞ。保護者の方だけのご相談も歓迎です。

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