8月が終わろうとしています。「11月の高卒認定試験、今から始めて間に合いますか」——この時期、いちばん多く届く質問です。学校に行かない選択をした人、通信制のレポートと並行して受けようとしている人、高校を辞めて次の一手を探している人。事情はさまざまですが、聞きたいことは同じです。
私は Core Learning Community で学習サポートを担当し、高卒認定から大学受験までの計画づくりを見ています。先に答えを書きます。残り2ヶ月半は、条件つきで十分間に合う期間です。ただし「条件つき」の部分を飛ばすと、11月直前に全科目が中途半端という最悪の形になります。いま何を確認し、残りの週をどう割るか。締切から逆算して書きます。
残り2ヶ月半は「間に合う」。ただし条件がある
高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)は文部科学省が実施する試験で、合格すれば大学・短大・専門学校の受験資格が得られます。年2回、例年8月と11月に行われ、いま狙えるのは第2回、つまり11月の回です。
この試験の性質を一言でいうと、「難しくないが、科目数が多い」。合格に必要なのはおおむね8〜10科目で、各科目の合格ラインは40点前後が目安とされています(基準は年度・科目により異なるため、必ず文部科学省の公式発表で確認してください)。出題の中心は中学から高校1年の内容で、応用力よりも基本事項を取りこぼさない力が問われます。難易度の実像は高卒認定は難しい?合格率と独学の勉強法で詳しく整理しています。
つまり「間に合うか」を決めるのは頭の良さではなく科目数と時間の割り算です。1科目に必要な学習時間を仮に20〜40時間と置くと、8科目で160〜320時間。残り約11週間、1日2時間なら150時間前後、1日3時間なら230時間前後です。全科目一発合格を狙うなら、平日も含めて毎日机に向かう前提が要る——これが「条件」の中身です。
ここで無理だと感じたなら、それは撤退の合図ではありません。科目を絞る合図です。次の見出しで、その絞り方を扱います。
出願と受験科目——最初の1週間でやること
勉強を始める前に、机の上で片づく作業が3つあります。ここを後回しにする人がとても多い。
1.出願期間を今日中に確認する
第2回試験の願書受付は、例年9月上旬までに締め切られます。読んでいる時点で残り日数が一桁というケースもあり得ます。受験案内の請求から書類準備(写真、本人確認書類など)まで数日かかるため、まず文部科学省の公式ページで今年度の日程を確認してください。勉強計画より先に、この1件です。
2.免除できる科目がないか調べる
高校に在籍していた期間がある人は、修得済みの単位で受験科目が免除される場合があります。半年でも1年でも通っていたなら、調べる価値は十分にあります。免除が2科目つけば、必要な学習時間はそれだけで数十時間減ります。仕組みは高卒認定の科目免除とは?保護者が知っておきたい仕組みにまとめました。在籍していた高校に単位修得証明書を請求する必要があるので、これも早いほど有利です。
3.今回受ける科目を確定させる
高卒認定は科目合格制です。合格した科目は次回以降に持ち越せるので、1回で全科目そろえなければならないという決まりはありません。時間が足りないと判断したら、今回は6科目、次回(例年8月)に残りという二段構えが現実的な選択になります。
絞る順番は、得意科目より「短時間で仕上がる科目」から。暗記中心で範囲が区切られた科目のほうが、2ヶ月半という枠に収まりやすいからです。数学や英語のように基礎の積み残しが響く科目は、余裕のある回に回す判断もあります。
2ヶ月半を3ブロックに割る逆算スケジュール
科目が決まったら、残りの週を3つのブロックに分けます。私が生徒と組むときの標準形です。
ブロック1(9月・約4週間):全科目を一周する
いちばん重要なのがここです。この4週間の目的は「解けるようになること」ではなく、「何がわからないかを全部見つけること」。各科目の薄い参考書か、高卒認定向けのワークを1冊決めて、わからない箇所に印をつけながら最後まで通します。理解できないページで止まらない。止まったら印をつけて次へ進む。
一周が終わると、残り2ヶ月分の学習量が数字で見えます。印の多い科目に時間を寄せる判断が、ここで初めて根拠を持ちます。
ブロック2(10月・約4〜5週間):印のついた場所だけを潰す
一周目でつけた印を、優先度順に潰していく期間です。合格ラインが40点前後だとすれば、全部を理解する必要はありません。頻出で、かつ短時間で得点に変わるところから手をつけます。ここで初めて過去問に触れ、出題の形式に慣れておきます。
ブロック3(11月・試験直前の約2週間):過去問と暗記の総ざらい
新しい教材に手を出さない期間です。過去問を時間を計って解き、間違えた箇所だけ戻って確認する。直前2週間で新しい参考書を買うのは、ほぼ確実に失敗します。この時期の不安は「やったことを忘れているのでは」という不安なので、対処は復習であって新規投入ではありません。
1週間の時間割サンプルと過去問の使い方
ブロックを週に落とし込みます。学校に通っていない人が最もつまずくのは、内容ではなく時間の枠組みがないことです。チャイムも時間割もない環境では、1日3時間は驚くほど簡単に溶けます。
おすすめは「午前に2科目、午後に1科目、日曜は復習だけ」という形です。たとえば午前9時から11時半までを主要科目2つに割り、午後の1時間半を暗記科目に充てる。日曜は新しいことをやらず、その週にやった範囲を見直すだけにします。1日の合計より、毎日同じ時間に始めることのほうが結果に効きます。私の指導経験でも、量を増やして崩れる人より、開始時刻が毎日ずれて崩れる人のほうが圧倒的に多い。生活のリズムから立て直したい人は学校に行かない日の過ごし方|1日の設計図もあわせて読んでみてください。
過去問の扱い方も一つだけ。過去問は「実力を測るもの」ではなく「出題範囲を教えてくれるもの」です。ブロック2の途中、まだ仕上がっていない段階で1年分解いてください。点数は気にしなくて構いません。見るべきは、どの単元から何問出ているかという分布です。分布がわかれば、残り時間の配分が決まります。測るために解くのは直前2週間で足ります。模試の代わりがないのが独学の弱点なので、理解度を誰かに確認してもらう機会を月1回でも作っておくと精度が上がります。
全科目そろわなくても計画は失敗ではない
最後に、うまくいかなかった場合の話をしておきます。ここを先に決めておくと、10月に不安で潰れにくくなります。
繰り返しになりますが、高卒認定は科目合格制です。11月に6科目受けて4科目合格したなら、それは「2科目落ちた」ではなく「4科目終わった」。残りは次回に持ち越せます。すでに一部合格を持っている人向けの戦略は高卒認定に落ちた科目がある君へ——11月の再受験を戦略に変えるで詳しく扱っています。
もう一つ大事なのは、高卒認定はゴールではなく通過点だということ。合格後に何をするか決めていないと、11月が終わった瞬間に手持ち無沙汰になります。高卒認定の勉強と大学受験の勉強は内容が別物なので、11月直後から切り替えが必要です。その接続は高卒認定から大学受験へ|合格する勉強法と時間の使い方にまとめてあります。
CLC が高卒認定を勧める理由は、学歴を埋めるためではありません。通信制高校では実現できない時間の自由が手に入るからです。16歳で高卒認定を取れば、17歳で海外に出ることも、事業を立ち上げることも、大学受験に全時間を投じることも選べます。大学進学を目指すなら進学コース、自分で何かを始めたいなら起業コースで、現役の起業家やビジネスパーソン、学習メンターが一人ひとりに伴走します。
「11月に受けたい。何科目にすべきか一緒に決めてほしい」——その一文で構いません。LINEの無料相談に、年齢・高校の在籍歴(なければ「なし」)・1日に取れそうな勉強時間の3点を書いて送ってください。科目の絞り込みだけでも、一人で決めるより速く正確になります。提供内容はサービス紹介、費用や進め方はよくある質問、個別のご相談はお問い合わせからどうぞ。