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永田 敦美(Atsumi Nagata)
Career Mentor|キャリア設計・進路相談

学校を休みはじめて数ヶ月。「このまま出席日数が足りなくなったら、進路はどうなるのか」——保護者の方との面談で、ほぼ必ず出てくる不安です。そしてその流れで話題にのぼるのが、「出席扱い」という制度です。

私は Core Learning Community でキャリアメンターとして、主に保護者の方の進路相談を担当しています。現場で感じるのは、この制度が「知っている家庭だけが使えている」状態にあることです。この記事では、制度の中身、申請の流れ、そして——ここが本題ですが——出席扱いを取っても解決しないことまで整理します。

「出席扱い」とは——欠席が欠席でなくなる仕組み

出席扱いとは、不登校の児童生徒が学校の外で行った学習や相談の活動を、一定の要件のもとで指導要録上「出席」として記録できる仕組みです。学校に登校していない日でも、欠席としてカウントされない扱いになる、と考えてください。

根拠は文部科学省の通知です。学校外の公的機関や民間施設での相談・指導に加え、自宅でICT等を活用して学習した場合も出席扱いの対象になり得ることが示され、令和元年10月の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」に整理されています。あわせて2016年成立の教育機会確保法により、学校以外の場での学習の重要性が法律上も位置づけられました。

ただし前提が二つ。最終的に判断するのは在籍校の校長であり、申請すれば自動的に認められる制度ではありません。同じ市内でも運用に温度差があるのが実情です。また、この枠組みは主に小学校・中学校を想定して整理されています。高校は進級・単位認定の要件が学校ごとに定められているため、在籍校の規程を個別に確認してください。

不登校に関する支援制度の全体像は不登校の子を支える支援制度ガイド|保護者ができることにまとめていますので、あわせてご覧ください。

認められるための7つの要件

自宅でのICT等を活用した学習を出席扱いとする場合、文部科学省が示している要件は、噛み砕くとおおむね次の7つです。

①保護者と学校の間に十分な連携・協力関係があること。②ICT(パソコン・タブレット等)や郵送・FAXなどを活用した学習活動であること。③訪問等による対面の指導が適切に行われること。④本人の理解の程度を踏まえた計画的な学習プログラムであること。⑤校長が対面指導や学習活動の状況を十分に把握していること。⑥学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けられない場合の家庭学習が基本であること。⑦学習の成果を評価に反映する場合は、学校の教育課程に照らして適切と判断されること。

相談を受けていて、実際につまずきやすいのは①と③です。学校との連絡が途絶えた状態や、家庭訪問・面談を一切受けていない状態からは、この制度は動き出しにくい。逆に言えば、「月に一度、担任と短時間でも会う」「スクールカウンセラーとの面談を続ける」といった細い一本の線が残っているかどうかが、後で大きな差になります。

ただし、お子さんの状態を無視して対面指導を優先しないでください。会うのが難しい時期には、保護者が学校との窓口を担い、本人の負担を最小限にする形から始めるケースもあります。接し方は不登校の子への親の接し方|焦らず支える視点で扱っています。

申請の流れ——誰に、何を、どの順で伝えるか

手続きの名称や書式は自治体・学校によって異なりますが、実務上の流れはおおむね共通しています。

第1段階:担任・学年主任への相談。「出席扱いという制度があると聞いたのですが、本校ではどのような扱いになっていますか」と、事実確認から入るのが穏当です。この段階で、いつ誰に何を伝えたかを日付つきでメモに残しておいてください。担任が異動した後も話が引き継がれます。

第2段階:窓口と選択肢の確認。教育支援センター(適応指導教室)、スクールカウンセラー、教育委員会のどこが窓口かを確認します。⑥の要件があるため、まず公的機関の利用が検討され、難しい場合に家庭でのICT学習が検討される順序になることが多いです。

第3段階:学習の中身を決めて提案する。ここが最も大事な段階です。「認めてください」とお願いする形ではなく、「この教材を使い、週◯時間、この単元をこの順で進め、学習ログを月末に提出します。出席扱いの対象になるか一緒に検討していただけませんか」と、計画を持って提案する形にすると話が進みやすい。学校側も、判断の材料がなければ判断できないからです。

第4段階:校長判断と継続報告。認められた後も学習記録の提出や面談は続きます。一度取れば終わりではなく、報告を続けることで維持されるものだと考えてください。

出席扱いでは解決しない3つのこと

ここからが、私が保護者面談で必ずお伝えしている部分です。出席扱いは有効な選択肢ですが、万能ではありません。

ひとつ目、内申点(評定)は自動的にはつきません。出席扱いは出欠の記録に関する扱いであり、評定は定期テストや提出物などの材料をもとに別途判断されます。要件⑦の通り、成果を評価に反映するかは別の検討事項です。詳しくは不登校で内申点がない中3の進路|親ができることをご覧ください。

ふたつ目、学力の空白は埋まりません。制度は学習を「カウント」する仕組みであって、「中身」を保証するものではない。出席扱いになった1年間と、学力が積み上がった1年間は、必ずしも同じではありません。

みっつ目、本人がこれから何をするかは決まりません。これが一番大きい。出席扱いを取ることが目的化してしまい、書類は整ったのに進路の話が1ミリも進んでいない——そういうご家庭を、私は何度も見てきました。制度は手段であって、目的地ではありません。

出席日数の先——進路から逆算して決める

では、出席扱いを取りにいくべきか。私の答えは「目指す進路によって変わる」です。判断は、進路を先に置いてから逆算してください。

出席日数が効く進路。全日制高校の一般入試や推薦では、調査書の出欠状況が選考材料になる場合があります。全日制への進学を第一に考えているなら、出席扱いを検討する価値は十分にあります(不登校の中3、高校進学を悩む親へ。焦らず選ぶ4つの道)。

出席日数が効かない進路。一方で、高卒認定(高等学校卒業程度認定試験)には出席日数も内申点も関係ありません。文部科学省が年2回(例年8月と11月)実施する試験で、その年度末までに満16歳以上になる人が受験できます。合格すれば大学・短大・専門学校の受験資格が得られます(高卒認定は16歳から受けられる|17歳の進路設計)。このルートを選ぶなら、出席扱いの手続きに割く労力を、そのまま学習そのものに振り向けたほうが結果につながることもあります。

Core Learning Community は、学校に行かない選択を、まず肯定するところから始めます。大学進学に照準を合わせるなら進学コースで総合型選抜や一般入試から逆算した計画を組み、自分で何かを始めたいなら起業コースで現役の起業家・ビジネスパーソンが伴走します。通信制高校では実現しにくい時間の自由を、空白ではなく実績に変える設計です。

出席日数の話は、突き詰めると「この子の時間を、これから何に使うか」という話です。制度を調べる時間と同じだけ、その問いに向き合う時間をとってください。

「出席扱いを検討したい」「うちの子の場合はどう考えればいいか」——その一文で構いません。LINEの無料相談に、お子さんの学年・現在の状況・いま一番気がかりなことの3点を書いて送ってください。提供内容はサービス紹介、費用や進め方はよくある質問、個別のご相談はお問い合わせからどうぞ。

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