ニュース一覧に戻る
小柳 博之(Hiroyuki Koyanagi)
Career Mentor|起業・民泊・事業立ち上げ

「将来は起業したい。でも、大学には行ったほうがいいのかな」——進路面談の時期になると、高校生からこの相談をよく受けます。先生の「とりあえず大学へ」とSNSの「大学は時間の無駄」。迷うのは自然なことです。

Core Learning Community で Career Mentor をしている小柳博之です。私は民泊をはじめ、いくつかの事業をゼロから立ち上げてきました。その経験から先に結論をお伝えすると、「起業に大学が必要か」という問いには、一律の正解はありません。正解があるのは、「あなたが、どんな事業を、いつ始めたいか」という問いのほうです。

この記事では、3つのルートを時間・お金・リスクで比べ、選び方を整理します。

「起業するなら大学はいらない」は本当か

よくある極論は2つ。「起業に大学は不要、早く始めた人が勝つ」と「大学を出ていないと失敗したとき後がない」です。

どちらも半分正しく、半分ずれています。確かに、会社を設立したり、お客さんから代金をもらったりするのに学歴は一切問われません。私も取引先から出身校を聞かれた記憶はほとんどありません。問われたのは「何を、誰に、いくらで提供するのか」と「この人は約束を守るか」でした。

一方で、大学には事業に効くものが確かにあります。専門知識、同世代の優秀な仲間、研究設備、そして失敗しても戻れる「所属」です。医療・バイオ・ハードウェアなど設備が前提の分野では、大学経由が近道になるケースも多いでしょう。

大学は「起業に必要なもの」ではなく、「事業によっては強力な道具になるもの」です。

起業を目指す高校生の3つのルート

ルートA:大学に進学してから起業する

最も一般的なルートです。大学で専門分野を学び、在学中や卒業後に起業します。起業支援プログラムを持つ大学も増えています。事業の中身がまだ決まっていない人には、選択肢を広げる期間になります。

ルートB:学びながら、並行して小さく事業を始める

高校や大学に在籍しながら、10代のうちに小さなビジネスを始めるルートです。ネット販売や制作の受託など、元手が少なくても始められる事業はたくさんあります。具体的な始め方は高校生 起業の始め方——10代の小さなビジネス3ステップにまとめています。

ルートC:高卒認定で時間をつくり、早期に挑戦する

高校卒業程度認定試験(高卒認定)に合格して、全日制高校の時間割から離れ、平日の日中を事業に使うルートです。高卒認定は文部科学省が実施する国の試験で、合格すれば大学・短大・専門学校の受験資格が得られます。つまり、起業に振り切りながらも、大学進学の扉は閉じない。ここがこのルートの大きな特徴です。実際にこの道を選んだ10代の姿は高卒認定から起業した10代のリアルで紹介しています。

時間・お金・リスクで比較する

①時間。事業にまとまった時間を投じられるのは、圧倒的にルートCです。立ち上げ期は、平日の日中にしか動かせない仕事が意外と多いものです。ルートAでは、本格的に動けるのが20代前半以降になります。ルートBはその中間で、放課後と週末をどう使うかが勝負です。

②お金。大学の学費は、国立大学で年間およそ54万円(標準額)、私立大学では学部によって年間100万円前後以上かかることも珍しくありません。学費は「知識と人脈への投資」でもあり、大切なのはその投資が自分の事業に回収されるイメージを持てるかどうかです。

③リスク。ルートAは失敗しても学歴というセーフティネットが残る一方、「いつか起業したい」のまま時間が過ぎるリスクがあります。ルートCは早く失敗経験を積める反面、次の一手の準備が必要です。ただ、高卒認定があれば後から大学を受験できるため、「一度起業に振ったら戻れない」わけではありません。大学進学の視点での長所・短所は高卒認定のメリット・デメリット|大学進学の視点でが参考になるはずです。

なお、18歳未満で事業を始める場合、契約には原則として保護者の同意が必要になるなど、未成年ならではのルールがあります。未成年でも起業できる?中学生・高校生の法律とお金で、事前に押さえておきたい点を確認しておきましょう。

自分に合うルートを見分ける3つの問い

私が高校生と話すときは、次の3つを順番に聞いていきます。

問い1:やりたい事業は、専門知識や設備が前提になるか?医療、研究開発、建築など、資格や高度な専門性が必要な分野なら、ルートAが有力です。逆に、サービス業・販売・コンテンツ制作・地域ビジネスなら、学歴よりも現場経験が効きやすいでしょう。

問い2:「誰の、どんな困りごと」を解決したいか、1文で言えるか?言えるなら、すでに事業の種を持っています。ルートBかCで、早めに小さく試す価値があります。まだ言えないなら、焦る必要はありません。まずはアイデアを探すところから始めましょう。起業のアイデアがない10代へ|見つける5つの型が手がかりになります。

問い3:今の学校生活は、事業に使える時間を奪っていないか?放課後に十分な時間があるなら、ルートBで並行できます。時間割がストレスで手が回らないなら、ルートCで時間の使い方を根本から変えるのも立派な選択です。

3つのルートは排他的ではなく、途中で乗り換えられます。「今は並行して試し、手応えが出たら時間を増やす」といった組み合わせも有効です。

どのルートでも、高校生のうちにやっておくこと

どのルートでも役立つことを3つ挙げます。

ひとつ目は、1円でもいいので、自分の力でお金をもらう経験をすること。「お客さんが財布を開く瞬間」を一度体験すると、事業の見え方が変わります。ふたつ目は、学校の外に、少し先を歩く大人とのつながりを持つこと。みっつ目は、やってみたことを記録に残すこと。うまくいかなかった挑戦も含めた記録は、大学の総合型選抜でも強力な材料になります。詳しくは高卒認定から総合型選抜で大学へ|実績のつくり方をご覧ください。

Core Learning Community は、学校に行かない選択も含めて、一人ひとりに合った進路をオーダーメイドで設計する場所です。事業に挑戦したい中学生・高校生には、起業コースで現役の起業家やビジネスパーソンが伴走します。大学進学も視野に入れたい人には、みらい進路研究所(進学コース)で高卒認定から大学受験までの学習を設計します。通信制高校でも得にくい平日の日中を、事業と学びに振り分けられるのがCLCの強みです。

「起業したいけど、大学に行くべきか決められない」——その迷いを、そのまま聞かせてください。LINEの無料相談で、学年・やってみたいこと・いまの迷いを送ってください。提供内容はサービス紹介、私たちの考え方はミッション、費用や進め方はよくある質問からご確認いただけます。

あわせて読みたい関連記事